第六十七話 ヒューロ−湖畔の戦い・後編
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のみ発生しているのだな」
「? 霧……ですか?」
「……ん?」
どうも話がかみ合わない。
そして、マクシミリアンは違和感に気が付いた。
四人の兵士は、数メイル先も分からない、この深い霧の中、すぐにマクシミリアンを見つける事が出来たからだ。
「一つ聞きたいんだけど、霧はかかっているよな?」
「お言葉ですが殿下。霧などかかっていません」
「え? それじゃあこの霧は?」
マクシミリアンは自分の目を両手で覆い、また外す……その行為を何度も繰り返した。
「なんてこった。目がイカれちまった」
と、素で呟いた。
「何処かお怪我を負われたのですか?」
「お、や、なんでもない」
兵士達に動揺を与えないように振る舞い。この状況の原因を考えてみた。
(やっぱり、さっきの破壊光線と、あの鳥の電撃かな)
そう結論付けた。
それと、目に対しヒーリングを掛けたが、どういう訳か治りが遅く、最低限見える様になるまで三十分以上掛かった。
(後で調べる必要があるな)
と、マクシミリアンが謎の目の不調の対策を練っていると、兵士の一人が木に昇って頂上付近に鉄の棒を括り付けていた。
薄っすらとだが、何かをしているのは分かった。
「彼は何をやっているんだ?」
「ご安心下さい殿下。これで我々に雷が落ちる事はございません」
と、リーダー格の兵士がマクシミリアンに近づき言った。
「なんだあれは?」
「あの男が発明した物で、鉄棒を建物の天辺などに付けて置くと、雷がその鉄の棒に落ちて雷の被害を防げるのです」
「ああ、避雷針か」
「流石は殿下、良くご存知で……」
「木に登っている彼が作ったのか?」
「左様でござます」
マクシミリアンの人材センサー(仮)がピーンと反応した。
「彼の名前を聞きたいな」
「あの男はベンジャミンといいます」
「へえ、それじゃ君は?」
「ジョージといいます。後ろの二人はジョンとトマスといいます」
「姓が無いという事は平民出身なのか? その割には学がありそうだが」
「我々が、アルビオンに居た頃、雇っていた主が、平民にも学問を教えてくれる方でしたので」
「何か人に自慢できる特技か何かは有るかな?」
「ベンジャミンはあの様に発明も出来ますし、トマスなどは、前の主も舌を巻く程の抜群の頭脳を持っています。私は測量を少々……」
「なるほど……君達四人はこの戦争が終わったら。アルゴルキン砦に出仕するようにしてくれ、話は僕がつけておく」
『ええ!?』
思わぬ出世話に、兵士改めジョージら三人は驚きの声を上げた。
「ヌーベルトリステインは、平民であっても
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