第六十七話 ヒューロ−湖畔の戦い・後編
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とする既存の軍艦は、真下の敵を攻撃する術か無いので、機雷などを投下して攻撃するようにしている。
ル・モンテ号船員が火薬庫から探知機雷を持ち出し、甲板後部から次々と投下しだした。
重力に従って落ちる探知機雷を、サンダーバードはヒラリと避けると、再び『探知』が起動し機雷は爆発した。
「所詮は獣。鳥頭だな、学習能力が無い」
ル・モンテ号艦長は勝利を確信していた。
もうもうと、辺りを漂う煙からサンダーバードが飛び出してきた。
サンダーバードは翼をはためかせると、その翼から猛烈な電撃が放たれ、三隻の内の一隻、モンマロー号の艦底部分に電撃が直撃した。
戦列艦は構造上船底部分が弾薬庫になっている。その為、電撃の直撃を受けたモンマロー号は火薬庫に誘爆、さらに投下する為に後部甲板に山積みにされた探知機雷にも誘爆し大爆発を起こした。
轟沈したモンマロー号の脱出者は確認できなかった。
「うわぁぁ!?」
「ああっ! モンマロー号が!!」
モンマロー号爆発の衝撃波は、他の二隻の戦列艦にも伝わり、体勢を立て直す為に単縦陣を崩してしまった。
「艦長! 巨大な衝撃波の影響で舵が効きません!」
「艦長、先ほどの雷の一部がメインマストに当たり、帆が延焼しています!」
「直ちに体勢を立て直し、消火作業開始!」
サンダーバードは翼を羽ばたかせ、残った二隻の戦列艦に止めを刺すべく、王者の様に上昇を開始した。
☆ ☆ ☆
マクシミリアンは、ヒューロー湖畔のヌーベルトリステイン軍陣地の対岸側で目を覚ました。
「うう? ここは……?」
辺りを見渡すと、白い霧の様なものが漂っていて良く見えない。
「くそっ、何だこれ?」
手で辺りを探りながら湖畔をうろついていると、何処からか声が聞こえた。
「人か? お〜い!」
マクシミリアンが声を返すと、数名の声が近づいてきた。
「マクシミリアン王太子殿下で在らせられますか?」
「ああ、僕がマクシミリアンだ」
濃い霧でよく分からなかったが、黒い影が四人見えた。声からして若い兵士のようだ。
「良かった。お怪我は御座いませんか?」
「少々の打ち身とかすり傷程度だ、ヒーリングを掛けたから心配ない」
「それを聞いて安心いたしました」
「かなり高い所から落ちたので心配しました」
「心配してくれてありがとう。それよりも、鳥の化け物はどうなったんだ? 戦闘中ならすぐにでも加勢に向かいたいのだが」
「現在、空軍が対処している所です」
「空軍? そうか、この霧は地上で
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