第六十七話 ヒューロ−湖畔の戦い・後編
[1/9]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
湖畔の戦いの戦況は、マクシミリアンの登場で一気にヌーベルトリステイン側に傾いた。
懸念だった大樹の精霊エントも、掟破りの開幕破壊光線で沈んだ。
だが突如現れた、雷の精霊サンダーバードの電撃でマクシミリアンは撃ち落され、湖へと落ちてしまった。
セクションの違いで対空戦闘任務に従事していた三隻の戦列艦は、マクシミリアンが撃ち落されたと聞き、急いで降下してきた。
降りてきた戦列艦乗組員が見た戦場は、200メイルものエントが根元から折れ、獣達を押し潰しながら大地に横たわっている光景だった。
獣や亜人達はマクシミリアンの破壊光線でウェンディゴの呪縛から解放された。正気を取り戻した獣達は這々の体で逃げ出し、根元から折れたエントに押し潰され命を落とす獣も出た。
先頭を航行する74門戦列艦ル・モンテ号は、湖上空でで優雅に上空を旋回するサンダーバードを見つけ、戦闘準備を命令した。
「あの鳥が目標だ。直ちに戦闘用意。弾種は探知榴弾」」
「了解」
「殿下のウォーター・ビットで各艦に連絡」
ル・モンテ号艦長は、後ろに続くモンマロー号とラ・フランドール号に連絡を命じた。
そう、マクシミリアンのウォーター・ビットは生きていた。
即ちマクシミリアンも生きている事になり、乗組員に動揺は少なかった。
三隻の戦列艦は、空中を単縦陣で進み風上のポジションを取ると、サンダーバードを射程内に捉えた。
「左舷砲撃用意」
艦内では左舷砲撃の為に、船員の荷物やテーブルやハンモックなどの生活物資が右舷側に押し込められた。
「砲撃準備よし」
「砲撃開始!」
ドドドドドドン!!
三隻の戦列艦から一斉に砲撃が加えられた。
サンダーバードは砲弾が見えているのか、大して予備動作をせずに砲弾を回避した。
だが、サンダーバードが避けた砲弾はただの砲弾ではない、『探知榴弾』という特殊な砲弾だった。
砲弾に掛けられた『探知』の魔法が、近くのサンダーバードに反応し起爆。爆風と破片がサンダーバードを揉みくちゃにした。
「やったか?」
「目標は落下中です」
「地上と連絡は取れるか? 出来るのなら怪鳥の始末を頼みたいのだが」
「連絡は出来ますが、現在は殿下の捜索中ですので恐らくは……」
現在、地上は墜落したマクシミリアンの捜索をしていて、始末の為の人数を出せるか微妙だった。
「そうか、殿下の捜索中だったな。我々だけで止めを刺そう。各艦にも連絡を」
「了解」
三隻の戦列艦が降下を始めると、落下中のサンダーバードが湖面ギリギリで体勢を立て直した。
「目標が体勢を立て直しました」
「探知機雷投下」
「了解!」
戦列艦を始め
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ