第四百四十二話 炎の忍達その七
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「煉華の炎にも形があるのかよ」
「あれっ、あるのか?」
烈火は土門のその言葉に気付いた様な顔になった。
「あいつにも」
「いや、あるだろ」
土門はその烈火にこう言った。
「やっぱりな」
「じゃあ修行するとか」
「出て来るだろ」
「そうなんだな」
「少なくとも修業はすべきだ」
形がなくともとだ、水鏡は述べた。
「彼女も修行すれば強くなる」
「今よりずっとだよな」
「今はただ炎と体術に頼っているだけだ」
煉華の戦闘スタイルはというのだ。
「赤ん坊が暴れているのと同じだ」
「力の強い、か」
「そうだ、だから攻撃も威力こそあるが」
「単純なんだな」
「あれでは今の僕達の誰よりも弱い」
「だからか」
「若し彼女も戦力としたいなら」
そう考えるならとういうのだ。
「訓練に参加させるべきだ」
「そうして格闘を身に着けるべきなんだな」
「その通りだ」
水鏡は冷静な口調で述べた、そして烈火に対して深く考える顔になってこうしたことも言った。口調もさらに冷静なものになっていた。
「そしておそらく形はある」
「あいつにもか」
「彼女は紅麗の遺伝子を持っているからな」
烈火と同じく炎を使える彼のというのだ。
「だからだ」
「そうか、じゃあ余計に訓練をさせるべきか」
「彼女がそうしたいならな」
ロイミュードと戦いたいならというのだ。
「そうすべきだ」
「そうなんだな」
「そうだ、だが」
「あいつが戦いたくないならか」
「もうだ」
煉華がそう考えているのならというのだ。
「止めるべきだ」
「全部あいつ自体か」
「そういうことだ」
「そうなんだな」
「だが彼女が戦いに参加するとだ」
「戦力になるんだな」
「それもかなりのな」
水鏡は烈火にこうも話した。
「そうなる」
「そうなんだな」
「紅麗と黄身に続く第三の炎術士だ」
「そう考えると大きいですね」
最澄は水鏡のその言葉に頷いた。
「お二人だけでもかなりですが」
「そうだな」
「ええ、僕もそう思います」
「確かにそうだけれど大丈夫?」
鬼凛は気遣う顔で言ってきた。
「煉蓮ちゃん紅麗さん今も怖がってるんでしょ」
「兄貴の名前聞くだけで震えてるんだよ」
烈火は鬼凛に困った顔で答えた。
「これがな」
「だったらね」
「兄貴も当然戦うしな」
「普通に顔を見合わせるから」
それでというのだ。
「本当にね」
「そのことは問題だな」
蛭湖も言ってきた。
「彼女は精神的に脆い」
「だからずっと引き籠っていたしね」
「若し彼女が紅麗さんに会う、それも常にとなるとな」
「戦うどころじゃないわね」
「そうなるな」
「難しい問題ですわね」
メディックもここまで聞いて述べた。
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