暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−−鼠と鴉と撫子と
17,撫子VS
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鈍い音と共に標的は吹き飛ばされ、そのまま地面に……

「今のは、危なかったナ」

叩きつけられず、ストンと降り立った。まるで人とぶつかったような様子で手のクローを払っている。
ダメージも私の予想よりもはるかに低く、1割程度しか削れていない。

まさか、あの瞬間に武器で防御したとでもいうのか?
アレを防げるのは攻略組でもそうはいない。

構えを正眼に保ち、距離を測る。呼吸を合わせ、再度飛び出した。
マグレかどうかは試せばわかる。

コンパクトに刀を横薙ぎする。難なくクローで弾かれ私の体は一瞬だけ隙だらけになる。
ここぞとばかりに、逆のクローの突きが予想通りに腹へと迫ってくる。
私は内心でほくそ笑んだ。誘い込み、成功。
一撃目を軽く振るったお蔭で私の軸はまったくぶれていない。最初からこの逆の手での攻撃を誘うための罠なのだから。

そのまま開き足の応用で突っ込んでくる側面へと移動する。
避けられたアルゴさんの体は前のめりに倒れこみ、私はフード越しに無防備な首筋を見下ろした。

背後からマントへ全霊を込めた一撃を振り下ろす。
首筋へと真っ直ぐに紫の太刀筋が伸びていく。

取った、確かにそう思った瞬間、マントが翻り、三本髭のペイント顔が私の前に再び現れた。

ガチン。

振るわれた私の一撃を左腕で確かに防ぎきって、アルゴさんはそのまま後退していく。
今度も1割程度しか命の削れていない。考えるべくもない完璧な防御。

「ッッツ!!」

私は構わず前へ出た。
長年の試合勘が告げている。コイツには時間をかけてはならない。速く決めろ。
だが、同時に脳裏では侮るな、焦るなという声が同じくらいの音量で響いてくる。

速く、速く。一撃に力を込めて太刀を振るっていく。
先ほどの一撃と同様、全力を込めた一刀は筋力値の低いアルゴさんでは完全防御は不可能だ。
アルゴさんもそれを悟ってか受けずに躱すことに専念していく。
紫色の剣閃が二人の間を彩った。しかし、その線が緑色のマントと混ざることはない。

私が幾ら振るっても、その体にまともに一撃が与えられない。
ごく稀に追いつめてクローでガードさせ、数ドットを削るのが関の山。
その返しの刃で、私の命を倍の速度で奪っていく。

「ック!!!」
つい、力が入り、大振りになっていく。強い、なんてもんじゃない。
現実も含め、ここまで私の攻撃を見切れるなんて。

均衡は一瞬の焦りで瓦解した。
私の振るった刃は空を切り、焦りすぎた私は僅かに足をもつれさせる。
アルゴさんが再度、私の肩をめがけてクローを突き出してくる。
しかし、先ほどのような速度はない。これがフェイクかどうかを疑い、踏み込みに躊躇したのだ。

振り下ろされるクローを無理やり刀
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