第110話
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の事は気にする必要はないよ。内戦に加担した父上に対する”処罰”が必要なのは事実だし、それでノルティア領邦軍の犠牲を最小限に抑える事ができるのだったら、ログナー侯爵家の娘――――――いや、”ログナー侯爵家当主として本望だ。”」
「私達アルノール皇家も大丈夫だ。どの道内戦もそうだが、今回の戦争の件でノルティアに限らずエレボニア全土の民達の信頼は地の底まで落ちている上エレボニアが敗戦すれば私達アルノール皇家の地位を剥奪されることも十分に考えられるのだから、”今更さ。”」
「僕も兄上と同じ意見です。連合に限らず、大陸全土を戦乱の地にして”終焉”へと導こうとしているオズボーン宰相を重用した父上の息子として……”巨イナル黄昏”を発動させた元凶としての責任を果たす為にも、僕の威光でよければ存分に活用してください。」
「アンゼリカさん………」
「オリビエ…………」
「……………………」
アンゼリカとオリヴァルト皇子、セドリック皇太子の覚悟を知ったアリサとシェラザードは辛そうな表情でアンゼリカ達を見つめ、ミュラー少佐は重々しい様子を纏って黙り込んだ。
「ハッ……当事者達が”覚悟”を決めた以上、俺達も”覚悟”を決めるしかねぇんじゃねぇか?」
「ああ………”エレボニアの第三の風”として、この戦争に介入して双方の犠牲を抑えるためにも。」
アッシュが呟いた言葉にガイウスが頷くと紅き翼の面々は互いの顔を見合わせて力強く頷いた。
「それじゃあ一応確認しておくけど、トワがさっき言った作戦内容を実行する事でいいわね?」
「おおっ!!」
そしてサラの確認に紅き翼の面々は力強く答え
「フフ、貴女達が決めたのだったら、あたし達も”遊撃士”として協力させてもらうわ。」
「私達も全力でサポートさせてもらうね!」
「”民間人の保護”は遊撃士の”役目”でもあるから、今回の介入に本部の連中も文句は言えねぇから、存分に暴れてやろうじゃねぇか!」
「わ、わたしはアガットさん達みたいに直接皆さんと一緒に戦って協力する事はできませんが、カレイジャスのブリッジ内でできるサポートを全力でさせて頂きます……!」
紅き翼の面々の様子を見たシェラザード達もそれぞれ紅き翼にとっての心強い答えを口にした。
そしてメンフィル・クロスベル連合によるルーレ侵攻作戦の開始時刻が近づくとアルフィンはログナー侯爵に直接繋がる通信でログナー侯爵に降伏を呼びかけたがログナー侯爵はノルティア州統括領主として……ユーゲント三世に忠誠を誓う貴族として、アルフィンによる降伏勧告を拒否して連合の侵攻に対して全力で抵抗する意思を示した為、メンフィル・クロスベル連合は”ルーレ侵攻作戦”を開始した――――――!
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