第110話
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時による領邦軍によるザクセン鉄鉱山の崩壊を防ぐ為に別働隊にザクセン鉄鉱山を占領させ、そしてルーレの防衛部隊がクロスベルと灰獅子隊に惹きつけられている間にリィン達精鋭部隊がルーレに潜入し、ログナー侯爵家に攻め入り、ログナー侯を討ち取る……か。まさに非の打ち所がない作戦内容だな。」
「ああ……ノルティア領邦軍は四州の領邦軍の中でも精強な事で有名だけど……残念ながらメンフィル帝国軍には劣るだろう。しかもよりにもよって、黒竜関からの援軍を抑えるメンフィル帝国軍を率いている人物はエフラム皇子とエイリーク皇女との事だからね……黒竜関からの援軍はルーレに駆けつける事ができない所か、最悪殲滅されるかもしれないね……」
トワの説明を聞き終えたミュラー少佐とオリヴァルト皇子はそれぞれ重々しい様子を纏って呟き
「殿下はそのお二人の事についてご存じなのですか?」
オリヴァルト皇子の言葉が気になったユーシスはオリヴァルト皇子に質問した。
「ああ。その二人はエステル君とも少なからず縁がある人物達でね……二人はメンフィル皇家の分家の一つ――――――”ファラ・サウリン公爵家”の人物達なんだ。」
「ええっ!?”ファラ・サウリン”って確かエステルちゃんの……!」
「あの娘がメンフィルから貰った”貴族としての家名”ね。」
「そ、そう言えばエステルお姉ちゃんがシルヴァン陛下に貴族の爵位をもらった時にお姉ちゃんと同じ貴族の家名の人達が出てきてお姉ちゃんにマントと髪飾りをあげましたよね?」
「ああ……そんで”影の国”で会った二人の王女さん達の息子と娘でもあったな。」
オリヴァルト皇子の答えを聞いてある事に気づいたアネラスは驚き、シェラザードは真剣な表情で呟き、戸惑いの表情で呟いたティータの言葉にアガットは頷いた。
「エフラム皇子とエイリーク皇女は夫妻でもあるその二人の息子と娘――――――つまり、ラピス王女とリン王女にとっては”孫”に当たる人物だよ。話を続けるが、エフラム皇子は数多くいるメンフィル皇家の人物の中でも相当な武闘派の人物で、戦場では多くの武勲を立て続け、それらの事から戦場での活躍ぶりはまるで若い頃のリウイ陛下のようだと称されている程との事だ。」
「ええっ!?」
「戦場での活躍ぶりが若い頃のリウイ陛下のようだって…………」
「またとんでもない皇子が出てきたものね……」
オリヴァルト皇子の説明を聞いたエリオットは驚き、アリサは表情を引き攣らせ、セリーヌは疲れた表情で溜息を吐いた。
「という事は皇女の方も凄い強いの?」
「いや……エイリーク皇女の方はエフラム皇子のような話は聞いた事はない。――――――ただ、プリネ皇女から聞いた話によると少なくても戦闘能力は間違いなくエイリーク皇
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