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八条学園騒動記
第五百八十九話 シェークスピア劇の本来の姿その十二

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「連合じゃあの戦争以外なかったけれど」
「エウロパ戦役までな」
「けれど海賊やテロリストの掃討で動かすだけでもお金かかるし」
「それだけでもな」
「結構ね、それで財政がどうとかってお話よく聞くし」
 戦争がない連合でもというのだ。
「ましてや戦争だとね」
「尚更だな」
「もう戦争ばかりのサハラなんて」
「それで財政破綻になる」
「しょっちゅうみたいね」
「だからだ」
 それ故にとだ、タムタムは話した。
「エウロパもな」
「戦争はしないでなのね」
「工作をしてきた」
「国力の差もあるよね」
 ルシエンはこのことを指摘した。
「連合とエウロパじゃ全然違うから」
「人口で四十倍、総生産で六百倍だ」
「そこまで開いているからね」
「だからだ」
 尚国民所得も普通に十倍以上ある。
「直接戦わずな」
「海賊やテロリストや過激派を暴れさせていたんだ」
「金を出して煽ってな」
 その様にしてというのだ。
「連合の中を乱していた」
「姑息だね」
「姑息でもな」
 それでもというのだ。
「効果はな」
「あったんだ」
「だからしてきた」
「そうなんだね」
「さながらリチャード三世か」
 タムタムはこうも言った。
「シェークスピアならな」
「あの謀略家の」
「それもかなり悪辣な、な」
「あの人みたいなんだ」
「あの人みたいな謀略を使ってな」
「連合に仕掛けていたんだ」
「リチャード三世は次々に殺していったが」
 自分の邪魔な者をだ。
「エウロパやテロや騒乱を起こさせていた」
「長い間だね」
「しかもバチカンのルートから入ってな」
「あれは卑怯だね」
「宗教を隠れ蓑にするとな」
 バチカンのエウロパに近い聖職者達と結託し彼等の協力を得て連合に入ってそうして海賊たちと接触していたのだ。
「実にな」
「卑怯さで言えばね」
「確かにリチャード三世の様だな」
「うん」
 実際にというのだ。
「そう思ったよ」
「そこまでする国だ、連中はな」
「それがエウロパだね」
「本当に汚い奴等だ、しかしな」
 タムタムは深く考える顔でこうも言った。
「その汚い奴等がこうした深い作品を残す」
「シェークスピアの作品だね」
「それは複雑で面白いな」
「汚い奴等から名作が出る」
「珠玉のな」
「それも人間かな」
「そうかもな」
 タムタムはルシエンに穂ヘ音で話した、そしてだった。
 後片付けが終わるとクラスに戻った、そうしてまた喫茶店の仕事に戻ったのだった。


シェークスピア劇の本来の姿   完


                 2020・9・24
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