第五百八十九話 シェークスピア劇の本来の姿その七
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「この話自体はな」
「覚えていたんだ」
「そうだった」
「成程ね」
「兎に角人にそこまでさせるまでのものだ」
「覚醒剤は」
「どれだけ危ないか」
それこそというのだ。
「言うまでもない」
「本当にしたら危ないものだね」
「全くだ、だから俺は絶対にしない」
「それがいいね」
ルシエンは心から応えた。
「間違ってもしない方はいいよ」
「俺もそう思う」
「そうだね、というかね」
「というか、か」
「そこまで危ないのにする人がいることが信じられないよ」
「世の中それだけ馬鹿がいるということだな」
タムタムの言葉は厳しくかつ沈んだものになっていた。
「要するにな」
「馬鹿だからやるんだね」
「馬鹿じゃないとするか」
そもそもというのだ。
「そんなものはな」
「そういうことだね」
「他の麻薬もそうだがな」
「とんでもなく危ないものだからね」
「廃人一直線だ」
麻薬に手を出せばというのだ。
「しかもヤクザ屋さんの資金源だ」
「そのこともあるしね」
「絶対にだ」
それこそというのだ。
「したら駄目でする奴は馬鹿だ」
「そうなるね」
「本当にな」
「そうだね、そういえばね」
ここでルシエンはこうも言った。
「フォルスタッフ卿麻薬はしていないね」
「当時なかったからな」
「そうだったね」
「大酒飲みでもな」
それでもというのだ。
「麻薬はなかったからな」
「していなかったね」
「そうだった」
「というかあの人麻薬があっても」
「しそうにないな」
「お酒ばかりで」
大酒飲みでというのだ。
「それで大食漢だけれど」
「麻薬はな」
「しそうにないね」
「とんでもない人間にしても」
このことは事実でもというのだ。
「筋はあれでな」
「通っている人だしね」
「それが魅力だしな」
フォルスタッフという人物のだ。
「だからな」
「そうだね」
「あの、ちょっといい?」
今度はプリシラが言ってきた。
「何かさっきお客さんのお話聞いたけれど」
「どうしたんだ?」
「シェークスピアって今は男女共に演じているけれど」
「それがどうしたんだ」
「昔は男の人だけだったの」
演じるのはというのだ。
「歌舞伎みたいに」
「野郎歌舞伎だな」
「あれみたいにね」
日本のそれの様にというのだ、この時代では歌舞伎は世界中で上演されていてそして女性だけで演じるものもあるのだ。
「そうだったの」
「みたいだな」
タムタムもこう返した。
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