暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第百七十一話 統一成るその十一

[8]前話 [2]次話
「今回は」
「ここまで来てやな」
「それで戦ってね、帰りも大変だけれど」
 それでもというのだ。
「まずはね」
「兵達を返してやな」
「そのうえでね」
「日本に皆集まろうな」
「そうしましょうね」
「それで詳しい話をしような」
 中里はアレンカールに微笑んで話した、そしてだった。
 アレンカールは実際に兵達に撤退を命じ彼自身戦場を後にした、これで日本は完全に勝利をその手に収めた。
 その時に綾乃と芥川が中里のところに来て言ってきた。
「これでやね」
「統一は成ったな」
「何度も激しい戦したけど」
「これで決まったわ」
「ああ、そのつもりやったけど」
 それでもとだ、中里は二人に応えて述べた。
「一番勢力の小さな日本が統一するなんてな」
「番狂わせや」
 芥川は笑って話した。
「まさにな」
「殆ど誰も想像もせんかったな」
「そうした状況やったが」
「僕等はやったな」
「そや」
 中里への返事は笑顔でのものだった。
「ほんまにな」
「そやな」
「皆驚いてるわ、ただな」
「問題はこれからやね」
 綾乃はいつもの微笑んだ表情だが口調はやや強くさせて述べた。
「むしろ」
「そや、戦の後はや」
「政やね」
「戦は言うなら序曲や」
「歌劇で言うと」
「それも十五時間はある大作のな」
 芥川は綾乃に笑って述べた。
「その作品のや」
「序曲やね」
「そんなところや」
「ほんまに大事で大変なんか」
「統一した広大な国土と九十五億の民をどう治めるか」
「そして世界自体を統一して」
「この世界を救うからな」
 そうした目標があるからだというのだ。
「そやからな」
「これまでの戦はほんまにやね」
「序曲や」
 それに過ぎないというのだ。
「それや」
「そやね」
「何度も自分達より遥かに強大な相手を降してきたけどな」
 それがあまりにも激しい戦の連続だったがというのだ。
「それでもな」
「それはまだはじまりで」
「これからや」
「まずは政やな」
 中里も言ってきた。
「統一したからには」
「そやね、ほんまに広大な地域と大勢の民をどう治めるか」
 綾乃は中里にも応えて話した。
「そのことを考えたら」
「大変やな」
「実際にな」
「そやからね」
 だからだというのだ。
「戦に勝ったけど」
「すぐにやな」
「政に入るで」
「そうなるな」
「まずは都に戻って」
 山城のそこにというのだ。
「そうしてやね」
「まずは政の仕組みを整えることになるな」
「それはもう太宰君が殆ど考えてるから。人選も含めて」
「ほなやな」
「今すぐにでもそれを発表して」
 そうしてというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ