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夢幻水滸伝
第百七十一話 統一成るその九

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「大変だけれど」
「それでもやな」
「まずはよ」
「中里の旦那をどうするか」
「それが大事だからね」
 それでというのだ。
「やるわよ」
「全身全霊でな」
「後もあるけれど今を何とかしないとね」
「その後もないな」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「いいわね」
「ああ、ほなな」
「やるわよ」
 アレンカールは意を決した顔で言った、そうしてだった。
 全身に残った力を全て込めてそのうえでケツアルコアトルと共に突進した、彼もケツアルコアトルも次々に術を繰り出しつつ突撃する。
 その彼等を見てだった、鵺は自分の背に乗っている中里に言った。今まさにその数々の術が迫ってきていた。
「どうする?」
「相手は最後の一撃に出たな」
「そや、こっちに来てな」
「僕に渾身の一撃浴びせるな」
「そうしてくるで」
「僕もな」
 中里も満身創痍だ、その身体で言う。
「もうな」
「そろそろやな」
「限界やからな」
「ここで決めなあかんな」
「そや、アレンカールが来るなら」
「受けて立ってやな」
「勝つわ」
 こう言うのだった。
「ここでな」
「そうするな」
「そやからな」
 意を決した顔でだ、中里は鵺に言った。
「今からな」
「迎え撃ってやな」
「もう下手に動き回って逃げることはな」
「せんな」
「動いたら」
 アレンカールとケツアルコアトルが放ってきている術をかわす為にだ、実際に無数の火球や氷の柱、雷が迫ってきている。
「その分攻撃に専念出来ん」
「そやからやな」
「それでや」 
「ここはやな」
「あえてな」
 攻撃をかわさずにというのだ。
「こっちも術を出してな」
「相手の術は相殺するな」
「敵の術を防ぐ」
 言いつつだ、中里は。
 魔障の術を続けて放ちそうして術を防ぐ壁を幾重にも出した。そうして鵺に言った。
「こうしてな、そしてな」
「自分もやな」
「攻撃の術を出して」
 言いつつ炎の術や稲妻の術を次々に放つ。
「こうしてな」
「さらにやな」
「あいつは必ず拳で来る」
 アレンカールは突進し続けてきている、両手の拳から術を放ちつつ。
「それやったらな」
「受けて立ってやな」
「こっちもや」
 両手に一本ずつ持っている神具の刀を意識しつつ鵺に話した。
「やったる」
「アレンカールの旦那に拳があったらな」
「右手のナックル、左手の爪にな」
 それぞれの神具にというのだ。
「僕にはや」
「二本の刀がある」
「それで勝負をつける」
「そうするか」
「ほなな」
「今からやな」
「敵が来れば」
「あの技出すで」
 言いつつだ、中里は。
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