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夢幻水滸伝
第百七十一話 統一成るその一

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                第百七十一話  統一成る
 玲子は自ら陣頭に立って派手に暴れていた、暴れるだけでなく軍勢の采配も執ってそうして戦っていた。
 その彼女のところに雪路が来て言ってきた。
「先輩、このままいけば」
「ああ、この戦線はね」
「私達の勝ちですね」
「そうなるね」 
 玲子はにやりと笑って雪路に応えた。
「このままいけば」
「そうですね」
「敵はもう総崩れだよ」
「はい、遂にそうなりました」
「このままさらに攻めてね」
 そうしてというのだ。
「敵軍を完全に叩きのめしたら」
「その時は、ですね」
「あたし達の勝ちだよ」
「そのことが決まりますね」
「このままいけばね、じゃあね」
「そのこのままをですね」
「掴むよ」
 そうするというのだ。
「いいね」
「はい、そうしましょう」
 雪路はカイザーナックルを手に応えた。
「私もです」
「そのカイザーナックルを使うね」
「これからも」
 まさにというのだ。
「そうしてです」
「戦っていくね」
「勝つその瞬間まで」
「そうさ、あたしだってね」
 玲子はその手にある朱槍を構えなおした、そうして前にいる敵軍最早総崩れになろうとしている彼等を見て雪路に話した。
「これからもね」
「さらにですね」
「攻めてね」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「この戦線をですね」
「完全にあたし達のものにしようね」
「それでは」
「一気に攻めるよ」 
「わかりました」
 雪路は玲子の言葉に頷いた、そうしてだった。
 玲子と共にそれぞれの軍勢を率いて敵軍をさらに攻めた、そのうえで総崩れになった敵軍をさらに攻めてその戦線の勝利を確かなものにした。
 だがその戦線を見ても芥川は笑わず雅に言った。
「まだや」
「勝利にはですね」
「遠いわ」
 こう言うのだった。
「どうもな」
「まだ敵の数は多いですね」
「星のモンは確かに一人もおらんでな」
 そしてというのだ。
「敵軍は散々に破ってるけどな」
「それでもですね」
「まだや」
 それこそというのだ。
「敵軍は我が軍の十倍以上の数がある」
「ようやく三割を倒せましたが」
「まだや」
 それでもというのだ。
「敵軍は多いからな」
「油断出来ないですね」
「戦局は常に変わる」
「完全に有利になった今も」
「まさにや」
 それこそというのだ。
「何かあればな」
「それで、ですね」
「瞬時にや」
「変わり」
「負けることもある」
 それこそというのだ。
「そやからな」
「それで、ですね」
「攻め続けて」
「油断せずに」
「やってくで」
「勝って兜の緒を締めろならだがや」
 坂口も言ってきた。
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