第1話 転生
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まで敵意むき出しで来てくれないとあの人達は出てきてくれないんだよね。
「だから、また閉じ込められてね」
私は今にも私を殺そうとしてくる瑠瑠神に手の平を向けるようにつきだし、
「オリンポスの神々たちよ、力を貸せ。てか起きろニートども! 仕事だ」
どこからか、面倒だの嫌だだの聞こえてくるが一切無視し、最上封印術式を展開する。
「瑠瑠神よ! たかが金属の分際で私に勝てると思うなよ! しばらく閉じ込められて、己を見直せ! 」
私のまわりに、11もの魔法陣が展開され、私の手のひらにも一つ展開される。まばゆい光を放ち、エネルギーが収束されていく。
「 絶対にコロシテヤルウウゥゥゥゥゥゥゥっっっっ! 」
瑠瑠神が私に近づき、あと一歩で私に触れられる位置にまで来たとき……術式を開放する。
「最上封印術式! 【絶無世界】! 」
ーーキュウウゥゥゥゥゥゥウウン! ーー
光の粒子が瑠瑠神を囲い、魔法陣から大質量の光の粒子が放たれる。
瑠瑠神はその光に溺れながらも、狂気に染まった目をこちらに向け……開きっぱなしだった扉の方に一筋の光を照射した。
「しまった?? 」
瑠瑠神はそれに満足したように足掻くのをやめ、再び強化された断絶の間に閉じ込められた。
「ハァ……ドッと疲れが来るわ。ありがとね、オリンポスの神ニート達」
『ニートじゃない! 』
「それにしても私のミスだわ……あの光、あの子が大変なことになりそうね」
自分のミスを悔やみ、あの青年が無事に生まれることを祈る。手出しできるのはこの空間内か、いずれかの世界でのみ。ここと世界を繋ぐ道において私は無力も同然。だから──
「無事に、生まれてくれ! …… 」
そう願うしか、私には出来なかった。
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