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緋弾のアリア ──落花流水の二重奏《ビキニウム》──
梔子とぺトリコール、紅涙
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』を媒体にしてる。もっと分かりやすくすると、霊力みたいなもの。ゲームとか漫画の設定だとMPって呼ばれるのかな?」
「MPが切れたら魔法が使えない……みたいな? でも彩斗は今までずっと陰陽術を使ってたじゃない。それが切れた時に今回みたいな疲労感とかは無かったの?」
さも興味ありげな様子でアリアは身体を乗り出した。恐らくは自分なりに考えようとしているのだろう。人差し指を口元に当てがいながら、何やら思案げにしている。
しかしアリアの言う通り、確かに自分は今まで《境界》や《明鏡止水》を使っていた。しかし今回は、《五行陰陽》さえも発動している。そこが普段と今回の違いだね──と頭を振った。
「如月彩斗という人間が持っている氣の量なら、《境界》や《明鏡止水》程度は大した影響は無いというだけの話だったわけだね、今までは。ただ、今回は違った。それらに加えて《五行陰陽》を酷使するということは、それだけ氣──MPを消費してしまったということだ。全てを使い切ってしまうほどにね」
分かりやすく例えてみせれば、
「言うなら、全速力で数キロ走ったあとは疲れるでしょう?」
「……そうね。呼吸も整わないし、苦しいもの。酷い時には酸欠で倒れちゃう人なんかもたまに見掛けることがあるかしら」
「その状態が『MPを使い果たした』状態だね。そして、『酸欠で倒れちゃう』ことが今回の結果を示しているわけだ」
だから、と一拍置く。
「この結果が『空白期間だけの副作用』であり、昏睡してしまった原因なんだよ。副作用と言ったけど、要は自業自得」
「その副作用っていうのは治らないの?」
「……いや、そんなことはないかな」
副作用は初見では対処しきれないこともある。が、自業自得という語を敢えて選んだからには、改善していく方法も勿論ある。
「筋トレと一緒だよ。氣の量は個々人でほぼ一定だと考えていい。何の鍛錬も積まずにその中の8割を消費するのと、ある程度の慣れを会得してから8割を消費するのとではまったく感覚が異なるのは分かるね? だから、これから必要なのは、いわゆるリハビリだ。感覚を取り戻さなければいけないわけ」
そうして自分は、それを怠っていたのだ。無味乾燥な日々に何が起こるとも思わずに、知らず知らずのうちに、誰の目にもつかないような奥底に仕舞っておいてしまったのだ。
武偵高生という肩書きを得てから、どうやら自分は本来の地位を忘れてしまっていたらしい。在るべき本家の由縁を。
言い、苦笑する。「どうしようかはまだ決まっていないけれど、まぁ、ある程度の伝手はあるからね」
小さく瞬いてから、窓硝子の外に流し目をする。茜と紫金に染まっていた東京湾も、今はすっかり藍に暮れていた。屋形船らしき灯りが、惘々と浮か
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