ターン36 家紋町の戦い(後)
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そしてバトルフェイズ、そのセットされたグレイドル・アリゲーターに攻撃する」
マジェスペクター・フォックス 攻1800→??? 守1500(破壊)
金の狐がひょいと飛び、両前足で伏せられたグレイドル・アリゲーターのカードを勢いよく踏みつぶす。守備表示なため当然ダメージは入らず、代わりに弾けたカードから勢いよく銀色の液体が飛散した。
「戦闘破壊されたグレイドル・アリゲーターの効果です!相手モンスター1体の装備カードとなり……」
「涙ぐましい努力だ。だが無駄だ、な」
弾けた銀の液体が空中で向きを変え、一斉にフォックスめがけて四方から襲い掛かる。しかし金の狐は落ち着いたもの、四肢を踏ん張って空高く一声鳴くと、たちまちその体が風の渦に包まれた。
「あっ!?」
驚きの声が響く。小さな狐を守る大きな風の流れは、液状と化して寄生にかかろうとしたグレイドルを完全に弾き飛ばしたのだ。さらに細かな水滴になるまでちぎられて吹き飛ばされたその破片が、床に壁に溶けるようにして消えていく。
『駄目なんですよ、マジェスペクターは。あのヒトたちは常に風の魔法で守られていて、こちらの効果の対象にできないうえにこちらの効果では破壊できないんです』
「効果の対象にも、効果破壊も、ですか……?そんな」
『なので当然、私たちグレイドルとの相性は最悪です。うう、力不足ですみません』
対象をとる寄生効果を軸に立ち回り、切り札のドラゴンはこれまた対象をとる破壊効果が持ち味のシンクロモンスター。およそグレイドルの全要素に対し喧嘩を売っているかのような耐性を知らされてたじろぐ少女に、男がダメ押しの伏せカードを仕込む。
「カードをセットする」
『あの伏せカード、十中八九先ほどサーチしたマジェスペクター・テンペストですよ。確か魔法使い族の風属性モンスターをリリースすることで、モンスター高架化特殊召喚のどちらかを無効にして破壊できるカードだったはずです。そして、先ほどのターンからずっと伏せてあるあの1枚は……』
「忘れるところだった、永続トラップ、量子猫を発動。このカードは守備力2200のモンスターとして特殊召喚されるが、その際に俺が種族と属性を自由に決めることができる。当然魔法使い族の風属性となるが、な」
量子猫 守2200
最初のターンにドン・サウザンドの契約によってドローされていた量子猫が、ここにきて呼び出される。しかしそれは、壁モンスターなどという消極的な召喚ではない。これ見よがしに見せつけられた、フォックスを維持したままテンペストを発動するための発動コストだった。
しかし、彼女の心に先ほどまでの不安や恐怖はない。
「私のターン、ドローカードは……魔法カード、ハーピィの羽根帚!メインフェイズ、これをすぐに発動し
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