第一話 底のない絶望その四
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希望にだ。こう言ったのである。
「だからさ。迷惑だからさ」
「縁切るから」
「もうつきまとわないでね」
「これ以上君と一緒にいたら碌なことにならないからさ」
「そんな・・・・・・」
彼等は希望に冷たく言い切ってだ。そのうえでだ。
背を向けて去った。そうしたのだ。
彼はクラスで完全に孤立した。誰も彼に声をかけなくなった。そしてだ。
下校の時にだ。玄関でだ。その素子や彼女の友人達がだ。
わざわざ待っていただ。彼に聞こえる様にしてだ。
あれこれ陰口を言ってきた。それを聞いてだ。
死にたくなった。絶望のあまりだ。何を言っているのか聞かなくてもだ。
だがそれでも下校した。その彼のところにだ。
真人が来た。そのうえで彼の横に来た。そして笑顔で彼に言ってきたのだ。
「一緒に帰りませんか?」
「友井君・・・・・・」
「そうしませんか?」
「いいの?」
心から問う目でだ。真人に言tったのだった。
「あのさ、僕は」
「言うことはないですよ」
真人は微笑みだ。こう希望に言ったのである。
「別に」
「そうなんだ」
「だから言ったじゃないですか。僕は何時でも遠井君と一緒にいますから」
「だからなんだね」
「はい、一緒に帰りましょう」
眼鏡の目で彼を見て。そのうえでの言葉だった。
「そうしましょう」
「有り難う・・・・・・」
「ですから。御礼は」
「いいっていうのか」
「はい、いいです」
そうだというのだ。
「友達ですから」
「僕は、正直」
「辛いですか、今は」
「うん、とてもね」
失恋と裏切り、そして孤立と嘲笑、そうした様々なものを受けてだ。
彼は疲れきっていた。だからこその言葉だった。
「どうしたらいいのかってね」
「困ってるんですね」
「目の前がさ。真っ暗になったんだ」
そこまでだ。絶望しているというのだ。
「今だからどうしたらいいのかわからなくて」
「そうですか」
「けれど。それでもね」
真人を見て。本当に感謝する言葉で言ったのである。
「友井君がいてくれて嬉しいよ」
「何があってもですよ」
真人の言葉は優しい。その目もだ。
彼はまだ後ろで希望の悪口を言う女子達の方を振り向かずにだ。彼に言うのだ。
「いますから」
「そうだね。じゃあ僕は」
「前を向けばいいんです」
心で背中を押した言葉だった。
「そうすれば」
「うん、それじゃあ」
真人の存在にだ。何とか救われた希望だった。しかしだ。
彼のクラスで、校内での立場は悪化する一方だった。クラスではだ。
彼はいつも自分の席で蹲るばかりだった。その彼
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