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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第58話:残された指輪
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された彼の体をフィーネの鎖鞭が締め付けながら持ち上げ2度、3度と床や壁に叩き付けると、最後に壁に向かって放り投げた。放り投げられた颯人は壁に思いっきり叩き付けられ、先程フィーネがそうされたように壁に円形の凹みを作らされた。
「ぐ、くぅ……んのやろう……うっ」
何とかウィザーソードガンを杖に立ち上がる颯人だったが、足元は覚束ず立つだけでもやっとと言う状態だった。
それでも颯人の闘志は衰えなかったが、如何せん体力の方が限界だった。度重なる攻撃によるダメージ。ここに来る前にアルドによって無理矢理体力を回復されていなかったら今頃立つことすらできなかっただろう。
だが状況が悪い事には変わりない。今の颯人には反撃すら儘ならなかったのだから。
「だが、只では終わらないぜ」
絶望的な状況だったが、颯人にはまだ策があった。
先程ウィズに渡された、フレイム・ウィザードリングによく似た指輪。形状から大体効果が予想が出来る指輪を取り出した。
「頼むぜ」
颯人は“左手”に新たな指輪を嵌め、ハンドオーサーを左手側に傾けて指輪を翳した。今まで見た事も無い指輪に、メデューサ達は警戒を露にする。
〈エラー〉
「はぁ?」
しかしドライバーから響いたのは、魔法が不発に終わる時の声だった。使う手が逆の場合は別の声が響くので、これは純粋に魔法が失敗に終わったという事である。
「おいおい、冗談だろ!?」
〈エラー。エラー。エラー〉
颯人は何度か左手を翳すが、ドライバーから聞こえるのは不発を示す声のみ。
これには颯人も、落胆と困惑した様子を見せた。
「何でだよ、こんな時に…………あっ」
徐々に苛立ちを覚える颯人は、この指輪を渡した時のウィズの言葉を呟いた。
「今までの指輪とは違う、って…………どういう事だよ」
「何をぼんやりしている!」
「ッ!? しま、ぐはっ?!」
困惑する颯人にフィーネの鎖鞭による追撃が飛び、強かに吹き飛ばされた颯人は壁を支えに立ち上がる。
もう自力で立ち上がる事すら困難となった様子の颯人。それを好機と見て、メデューサとヒュドラがトドメとなる一撃の魔法を使用した。
〈〈イエス! バニッシュストライク! アンダスタンドゥ?〉〉
「こいつで──!」
「死にな!!」
「くっ!?」
〈ランド、プリーズ。ドッドッ、ド・ド・ド・ドンッドンッ、ドッドッドン! ディフェンド、プリーズ〉
放たれたのは大きな魔力の球体。2人の手から放たれた破壊の魔力が込められたそれを、颯人はスタイルをランドに変更しなけなしの魔力で障壁を張る。
しかしそれは所詮儚い抵抗だった。例えるなら落石を薄い鉄板で受け止めようとするようなものだ。当然耐えられる訳がない。
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