暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第58話:残された指輪
[5/8]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
とて、自分にも限界がある事は分かっているのか無暗矢鱈に攻撃を喰らうようなことはしない。危険と感じた攻撃は自分でしっかりと避けた。
迫る巨大な裏拳を、それ自体を踏み台にする事で回避するフィーネ。
颯人はそれを待っていた。
「そこだ!!」
〈バインド、プリーズ〉
「ッ!? 何ッ!?」
フィーネの四方に魔法陣が出現し、空中で無防備となった彼女の四肢を拘束する。空中でX字に磔にされた彼女は、憎々し気に颯人を睨み付けた。
「くぅ────!?」
「おっちゃんでもあるまいし、まさかそれを強引に引き千切る何て事出来ないだろ? 観念しな」
流石に四肢を拘束されては何も出来まい。これで彼女が弦十郎に匹敵する馬鹿力を持っていたら危なかったが、睨むだけで何もしないという事はそこまでの力は無いという事だろう。フィーネはこれで事実上無力化された。
「……フフフ」
「あん?」
にも拘らず、フィーネは不敵な笑みを崩さない。その様子に不気味なものを感じた颯人は、仮面の奥で訝しげな顔をした。
何か仕掛けてくるのではと警戒する颯人。それは確かに正しい警戒だった。しかし、警戒を向ける方向が間違っていた。
フィーネに気を取られ過ぎていた所為で、颯人は別の脅威の存在を忘れていたのだ。
〈イエス! スペシャル! アンダスタンドゥ?〉
「ッ!?」
出し抜けに明後日の方向から聞こえてきた詠唱に、颯人は直感に従ってその場を飛び退いた。直後、彼が先程まで立っていた場所に閃光が突き刺さり、その辺りを石に変えた。
それと同時に颯人の集中が途切れたからか、フィーネを拘束していた魔法の鎖が解けて消える。
自由になったフィーネは悠々と降り立つと、増援としてやって来た魔法使い──メデューサとヒュドラに声を掛けた。
「遅かったではないか。もしや私が危険に陥るのを待っていたのではあるまいな?」
「折角助けてやったのに、素直に感謝の言葉の一つも言えないのか?」
皮肉の応酬をしながら合流する3人を見て、颯人は冷や汗が流れるのを感じた。連絡を取る様子が無かったから、幹部がここに来るとは思っていなかった。ウィズが派手に暴れているから、幹部はそちらに向かうかと思っていたのだ。
──チッ、当てが外れた。多分奏達もまだ戻ってきてないんだろうし、ウィズがこっちに気付いてくれるまでは俺1人でこいつらの相手をするのかよ──
逃げるべきだろうか? いや普通に考えれば逃げるべきだろう。フィーネと幹部2人を同時に相手にするのは、いくら何でも分が悪すぎる。
しかし唯一の出入り口は今正にあの3人の後ろにある。悲しい事に、フィーネと戦っている内に颯人は入り口から遠い所へと移動してしまっていたのだ。
こうなると残る
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ