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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第58話:残された指輪
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ようだな?」
目を覚ました弦十郎を純粋に心配するあおい達と、何処か素っ気無いウィズ。彼らを見て、弦十郎は脇腹に走る痛みを堪えて上体を起こした。
「くぅ、状況は?」
「それが、突然本部のシステムがダウンし外部との通信などが困難な状況で……」
「地上の敵は私達であらかた始末した。ここにも何人かメイジに入られたが、そちらもある程度は片付いきつつある。尤も、まだ幹部が1人も見当たらないから油断は禁物だがな」
そこまで言って、ウィズは室内を見渡し颯人が見当たらない事に気付く。
「ん? 颯人が見当たらないな。あいつはまだメイジを相手にしているのか?」
負傷しているらしきアルドに近付きリカバリーの魔法で弦十郎や慎次共々体力を回復させつつ訊ねる。その様子は颯人を心配しているようには見えない、落ち着いたものだった。
しかし、次にアルドから返ってきた答えは彼にとって予想外のものであった。
「実は颯人は……本部最奥区画アビスに保管されているデュランダルを奪おうとする櫻井 了子さん……フィーネを追って、1人アビスへ……」
「────何?」
思わずアルドに聞き返すウィズ。その様子は、彼にしては珍しくどこか焦っているようですらあった。
***
その頃、颯人とフィーネは一進一退の戦いを繰り広げていた。
魔法を織り交ぜた多彩な攻撃で翻弄する颯人だったが、只でさえネフシュタンの鎧によって頑丈な体になった上に防御技も持つフィーネを相手に有効打を与えられず。
対するフィーネも、攻撃手段は2本の鎖鞭を中心としたものがメインとなってしまい手数に欠けていた為颯人を攻めきれてはいなかった。
颯人がフィーネに向けてガンモードのウィザーソードガンの引き金を引く。数発の銃弾が不規則な軌道を描きフィーネに殺到し彼女の肉体に突き刺さるが、銀の銃弾は彼女の体から押し出され傷口は瞬く間に塞がった。
もう何度目になるか分からないその光景に、颯人は最早嫌悪感すら抱かなかった。
「人の身を捨てて、そうまでして成し遂げたい事なのかい?」
「お前の様な小僧には分かるまい。この私の想いと執念は!」
高速で振り下ろされる鎖鞭を、颯人はウィザーソードガンで捌きながら前進する。幾ら傷が回復すると言っても、無限に戦い続ける事が出来る筈がない。どこかに必ず弱点がある筈だ。
颯人はその弱点を見つけ出すべく攻撃を続行する。
〈ビッグ、プリーズ〉
魔法陣を潜り抜けた颯人の右腕が巨大化し、裏拳となってフィーネに迫る。大型トラック程の手でぶっ飛ばされたら、肉体はともかく脳は大きく揺さぶられ脳震盪もあり得るだろう。動けなくなってしまえば、拘束するなりやりようはある。
しかしフィーネ
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