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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第58話:残された指輪
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とこうか。邪魔が入る前に、あんたは倒す。あ、その前に一つだけ聞いておきたい事があった」
「何だ?」

 身構えるフィーネを前に、颯人は左手の指輪を交換しながら問い掛ける。

「5年前、皆神山の遺跡に出たノイズ。あれはあんたの差し金か?」
「……あぁ、そんな事もしたな。それがどうした?」
「…………オーケー、あんたは絶対ぶっ飛ばす。ぶっ飛ばして、奏に土下座して謝らせる。他の連中にもだ」

 その回答で颯人が怒りを覚えるには十分だった。フィーネがあのような事をしなければ、奏が心に傷を負う事も戦いに身を置く事も無かったのだから。

〈シャバドゥビタッチ、ヘンシーン! シャバドゥビタッチ、ヘンシーン!〉
「変身!」
〈フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!〉

 颯人が変身する瞬間、フィーネは無防備な彼に鎖鞭を飛ばし攻撃を仕掛ける。しかし放たれた鎖鞭による一撃は、彼が前面に展開した炎の魔法陣により弾かれる。
 魔法陣はそのまま彼を通過し、彼をウィザードへと変身させた。

「さぁ、タネも仕掛けも無いマジックショーの開幕だ」
「そのショーは……直ぐに閉幕だ!」

 ウィザーソードガンの切先を向ける颯人に、フィーネが鎖鞭を振るいながら襲い掛かる。颯人はそれに臆することなく前進し、ウィザーソードガンの刃と鎖鞭が激しくぶつかり合った。




***




 一方、司令室には負傷した弦十郎と慎次、アルドに未来が到着していた。

「司令!? その傷は!?」
「大丈夫です。応急処置はしているので、命に別状はありません。ただ安静が必要なので、そこのソファーに運ぶのを手伝ってください」

 道中でアルドの手で応急処置を施され、脇腹に包帯を巻かれた弦十郎を数人掛かりでソファーに寝かせる。ボディービルダーも顔負けの体付きをした彼を、傷口に負担を掛けないようにソファーに寝かせるのはなかなかに骨だった。

 彼をソファーに寝かせ安静にしたところで、慎次がコンソールを操作し響の通信機に回線を繋いだ。

「本部に侵入したのは魔法使いだけではありません。敵には……櫻井 了子が居て、デュランダルを狙っています!」

 慎次の齎した情報に言葉を失う朔也達オペレーター。その間に慎次は回線を繋ぎ、未来に響と連絡を取らせた。

「響さんと回線、繋がりました!」
「響!? 学校が、リディアンがノイズと────」

 未来が全てを伝え終える前に、モニターの電源が落ちる。

「何だッ!?」

 驚く慎次だったが悪い事はこれだけでは終わらない。吹き飛んで扉の無くなった司令室の入り口から、再びメイジが入り込んできたのだ。しかも今度は先頭に白い仮面のメイジまで居る。

「こ、こいつらまた!?」
「くっ!
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