第六十一話 食べてもらってその七
[8]前話 [2]次話
「こんなのです」
「いつも一緒にいるのね」
「いつもじゃないですけれど」
それでもです。
「毎日みたいに会っていました」
「今もそうなのね」
「これがまた」
「いや、これこそお引き寄せですね」
阿波野君がまたにこにことして言ってきました。
「親神様の」
「そうよね」
大石さんは阿波野君のことばに笑顔で応えました。
「まさに」
「そうですよね」
「千里ちゃんはとてもいい娘だから」
大石さんは今度は私のお話をしました、何かいつもこう言われて恥ずかしいです。そんなにいい娘のつもりはないですから。
「色々教えてもらってね」
「そうさせてもらいます」
「それで助けてあげてね」
「僕が先輩をですね」
「男の子だから」
それでというのです。
「そうしてあげてね」
「はい、先輩に何かあったら僕も嫌ですし」
「それじゃあね」
「やらせてもらいます」
「そういえば阿波野君は」
私も思い出しました、その思い出したことは何かといいますと。
「おさづけの理を頂いた時に」
「あの時ですね」
「詰所から東寮まで送ってくれたわね」
「何もなくてよかったですね」
「あの時は有り難う」
「いえ、全然大したことじゃないですから」
阿波野君の返事は何でもないといったものでした。
「別に」
「こんないい子いてくれたら」
また大石さんが笑顔で言われました。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ