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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
アスカリの持ちたる国〜ヴァンフリート民主共和国〜(上)
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深い敬意を払い、彼らを送り届けなければならない。我々は同志であり勇敢な戦士である。彼らはこの長い戦争の中で共に生まれ、そして彼らは故国と我々同胞を護る為に死んだ。
同盟は多様な人々が暮らす国々により作られた巨大な家である。同じ信念をもった国々が一丸となり、末永く続いていけるかが試される戦いが長きにわたり続いている。
我々はこの戦争のすさまじい戦場となりうる地域に今もなお住まい。二年前にはアスターテの友人たちの助けを経てこの地を襲った戦災に耐え抜いたことは記憶に新しいだろう。
ここに眠る彼らは我々とその後背に住まう人々が生き延びるため命をかけ、そしてこの広大な星の海の中でとこしえの眠りについたのだ!故に我々は彼らを敬意をもって故郷に送り届けなければならない。それは我が国と人民の誰にとっても適切で、彼らとその遺族に対する礼儀にかなった行いであることに異議がある者はいないと確信する」
「しかし、我々はこの戦いをで命を落とした勇士たちと同等にと称えられることはないだろう!生者であれ死者であれ、ここで戦った勇敢な人々こそがその悲しみと勇気を示したのであり、我々が勇気を示し、自ら武器を取らぬ限り、それを語り継ぎ、誇りを持って送り出す事のみを為すからだ。冷笑的な専制主義者は、彼らの死とそれを我々が語り継ぐことを誰も記録にも記憶にもとどめず、踏みにじられるのみだと嘲笑するだろう。しかし彼らの行動を我々が忘れることはけしてない!彼らの示した献身を無為にすることはけしてない!!
生者としての我々の使命は、ここに眠る勇士達が前進させた未完の仕事に捧げることである。我々は彼らを悼むのと同時に悲しみに負けず、残された大きな使命に自らを捧げる事を誓おう。我々は誉れ高き死者が最大限の熱意を捧げた大義を実現する為により一層の熱意を向けなければならない。諸君!このモハメド・カイレと共に彼らへ誓おうではないか!!我々はこの地に住まい、そしてこれからも人民の意志により侵略に対して断固として武器を取り戦い続けるのだと!!彼らの死を無駄にしないと固く決心せよ!
我らの誇りは誰にも奪えない!専制主義者の暴威に対して我々は団結して戦うのだ!!
自由惑星同盟万歳!ヴァンフリート民主国万歳!ヴァンフリート人民よ!勇士たちの魂へ敬礼!」
同盟軍側からも拍手が鳴り響き、人民元帥は笑みを浮かべた。
第二の国歌ともされる革命兵士への葬送曲『同志よ我らの腕の中で』が奏でられ兵士たちが行進を始める。
艦隊儀仗兵がコンテナを整然と囲み行進するヴァンフリート儀仗兵達と死した勇士の形見に捧げ銃する。 第十艦隊司令官のウランフ中将を筆頭とする将校団も敬礼をし、コンテナを引き渡しの確認――武官筆頭と儀礼的なやり取りを行う。
グリーンヒルはそれを少しばかり羨ましそうに見ていた。彼はまだ明日、このセ
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