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同盟上院議事録〜あるいは自由惑星同盟構成国民達の戦争〜
閉会〜金帰火来には遠すぎる〜
アスカリの持ちたる国〜ヴァンフリート民主共和国〜(上)
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がぼそぼそと追従するがその大佐は鼻を鳴らすだけだ。
「だがそれと感情は別、とえぇそれはそうでしょう」
イロンシは肩をすくめておどけて見せた。天性の気楽さ、という意味ではこの男も前線指揮官としての素質を発揮していたのは疑いはない。
貨物ブロックに集る作業員達の歓声は呻き声へと変化した。中から出てきたのは――凍てついた死体らしきものであった。作業員達の端末から警告音が鳴り響く音がドックに響き渡った。
男達は頭を振ると凍った肉塊を漁り、手帳のような端末を拾い上げると機械でスキャニングし、コンテナに放り込んだ。
スキャニングされたデータが届けば国防委員会の統計から行方不明者が一人減り、戦死者が一人増えるのだ。
・
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視察を終えるとせわしなくグリーンヒル大将の統率よろしきをえて同盟軍は新たな任務にとりかかった彼らの最大の任務――同胞達の遅い帰還を迎えることである。つまりは戦没者達の葬儀である。と言っても亡骸があるわけではない。
彼らが持ち帰るのはコンテナに詰め込まれた軍隊手帳――より正確に言うのなら運よく発信機の機能が生き残った軍隊手帳の残骸達である。
マンデラの第一宇宙港、ムベキの大広場にヴァンフリート人民防衛軍の儀仗兵と同盟軍が並ぶ、同盟軍と並ぶとヴァンフリートの違いはより顕著だ。
同盟軍は良くも悪くも【見栄え】を重視し人種を混ぜて編成をすることが多い。
一方でヴァンフリート人民防衛軍は誰も彼もが浅黒い肌をしており、まるでそれが軍礼装の一部であるかのような奇妙な統一感を醸し出している。
同盟軍の若者達、特に都市出身者にとっては【異国】を感じさせるのに十分である。
『自由の旗、自由の民』が奏でられる。
「総員!勇士達へぇぇぇぇぇぇぇ!!捧げェェェェェェッ!銃!!」
ヴァンフリート人民防衛軍は一糸乱れぬ動きで戦没者への畏敬の念を示す。
「モハメド・カイレ人民元帥閣下の御言葉!」
国家元首にして
最高指導者
(
ディクタトール
)
モハメド・カイレ人民元帥がゆっくりとした足取りで演台へと昇る。
彼――というよりも人民元帥という呼称が問題なのだ、彼は国家元首であり銀河連邦元帥を自称している、そこに触れるとなると――文民、ましてや公選制政治家では立場の上下が酷く面倒なのだ。
「我らが指導者!カイレ人民元帥万歳!!」
「人民の庇護者よ!我らの
人民元帥
(
ピープルズマーシャル
)
万歳!」
兵士と女性達の歓声に答え、元帥は手を挙げる。大量に身に着けている勲章が煌めいた。ヴァンフリート国政府によるものから周辺諸国の物、そして自由惑星同盟から授与された物、と様々だ。
「我が敬愛すべきヴァンフリート民主国の諸君。ここに眠るのは偉大な戦士たちである。我々は彼らに哀悼の意を示し、それと同時に
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