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夢幻水滸伝
第百七十話 近付く統一その一

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                第百七十話  近付く統一
 芥川は采配を執りつつ綾乃のところに赴いた、そうして戦いながらも今は昼食としてお握りを食べている彼女に話した。
「あと一押しでやで」
「勝てるね」
「ああ、軍勢に加えてな」
「うち等も総攻撃に移ってるし」
「敵軍は総崩れや」
 そうなっていることは空の上から見ればよくわかった。
「もうな」
「これからもっと攻めて」
「そしてや」
「勝利を確実にするんやね」
「そうしてくで、それでな」
「一騎打ちはやね」
「もう中里とアレンカールのそれだけやが」
 芥川もお握りを食べている、おかずは漬けものである。
「そっちはな」
「中里君次第やね」
「あいつは采配も凄いが武芸も凄い」 
 その両方がというのだ。
「まさに六将星最強や」
「それだけにやね」
「あいつに一騎打ちで勝てる奴は六将星でもおらん」
 神星の中で武の分野を得意とする彼等でもというのだ。
「そやから今回も一騎打ちを任せたけどな」
「それでもやね」
「世の中に絶対のことはなくて」
 それでというのだ。
「戦もそや」
「中里君でもやね」
「負けることもある」
「そしてその時は」
「僕が行くわ」
 アレンカールとの一騎打ちにというのだ。
「そうするわ」
「そうするんやね」
「これまでの一騎打ちでもな」
「若しやね」
「綾乃ちゃんに行ってもらった場合もあるけどな」
 綾乃は棟梁であり若し一騎打ちで敗れたらならその時点で日本の負けであった。リスクが非常に高い一騎打ちであったのだ。
「若しな」
「中里君が負けても」
「僕が負けてもな」
「うちもおるからやね」
「そや、神星が三人おるんや」
 日本にはというのだ。
「それやったらな」
「一騎打ちでも存分に使う」
「そうしていくもんやからな」
 それでというのだ。
「それで中国戦、アメリカ戦では綾乃ちゃんには軍勢の指揮を執ってもらって」
「それと共にやね」
「いざって時の備えにおってもらってたんや」
「予備戦力やね」
「そや」
 まさにというのだ。
「そういうことでな」
「うちもおったんやね」
「そや、それで今回はな」
「芥川君がやね」
「若し中里が負けたらな」
 その時はというのだ。
「行くわ」
「そうして軍勢の采配はやね」
「頼むで」 
 こう綾乃に言った。
「その時は」
「わかったで」
 綾乃もこう返した。
「その時は」
「ほなね」
「まあ中里に一騎打ちで勝てる奴はそうおらん」
 芥川はあらためてこうも言った。
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