第十一幕その十一
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「演舞もやるしな」
「そちらもですね」
「おいら達はそっちもやるしな」
こうお話するのでした。
「楽しみにしておいてくれよ」
「わかりました」
「そういうことでな」
こうお話してです、皆は京劇も観ました。すると実際に孫悟空さん達も舞台に出てそのうえでなのでした。
それぞれご自身の役を演じます、ただです。
皆お面を被ってお化粧をしています、オジョはその舞台を観て言いました。
「あれっ、ご本人なのに」
「それでもですね」
「お面被ったりしているんだ」
「京劇の決まりの一つでして」
「それでなんだ」
「それぞれの役に決まったお面がありまして」
それでというのです。
「被って演じる決まりになってます」
「そうなんだね」
「それでお化粧もです」
こちらもというのです。
「する様にです」
「決まっているんだね」
「それぞれの役で」
「そうなんだね」
「ですから孫悟空さんは孫悟空さんで」
その役でというのです。
「お面を被っておられるんです」
「そうなんだ」
「はい」
「成程ね」
「それと演技ですが」
神宝は孫悟空さんのそれを観つつオジョにお話します。
「流石ご本人だけあって」
「自然だね」
「そうですね」
「もうそれこそね」
「何も問題がない感じで」
「違和感ないね」
「演技力といいますか」
そう言うかと、というのです。
「ご本人なので」
「何も不自然なところがないね」
「今は二郎真君との闘いですが」
丁度その場面です、孫悟空さんご自身が二郎真君を演じているその人と舞台で一騎打ちを演じていますが。
そのお芝居を観てそうしてオジョにお話します。
「ありのままですね」
「何一つ違和感がなくてね」
「まさにその場面を観ている」
「そうですね」
「そうだね、凄いものを観ているよ」
ボタンも言います。
「僕達は」
「オズの国ならではだよ」
神宝はボタンにも言いました。
「ご本人が演じられるなんてね」
「外の世界にはないんだね」
「孫悟空さんが孫悟空さんを演じるなんてね」
勿論他の人達もです。
「ないよ」
「それがしも自分を演じる舞台に出る」
ここで関羽さんも言いました。
「オズの国では」
「そうなんですね」
「左様」
まさにというのです。
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