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ドリトル先生と牛女
第十一幕その十二

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「充分過ぎる程幸せです」
「それで、ですか」
「これ以上の幸せは」
「あれっ、先生幸せには限りがないと」
「そうですがもう満足していますので」
「もう恋愛については」
「縁がなくても」
 それでもというのです。
「いいとです」
「思われていますか」
「はい」
 実際にというのです。
「満足していますので」
「いいですか」
「それでどの言語で考えても」
 日笠さんのことをです。
「あの人は僕をお友達と思ってくれています」
「わかりました」
 牛女さんは先生に謹んで答えました。
「どの言語でも有り得ないと思って考えますと結論は同じですね」
「そうなのですか」
「そのことがわかりました」
 こう先生に言うのでした。
「この度は」
「そうですか」
「ただ。先生はもっと幸せを求められても」
「いいですか」
「本当に幸せは際限はないですから」
 だからだというのです。
「それで、です」
「僕もですか」
「恋愛を求められては」
「もてない僕がですか」
「いえ、そこをです」
「そうですね、まあ妹にお話してみます」
 先生はそれならと言います、ですが。
 ご自身に恋愛について何か縁があるとは全く思わないのでした、牛女さんも先生のそんなところには呆れてしまいました。ですが宴は続き皆兵庫県の山海の珍味を楽しんでお酒も飲んでそうしてでした。
 すっかり満足したところで牛女さんは皆にお話しました。
「では少し落ち着いたらお風呂はどうでしょうか」
「お風呂ですか」
「はい、そちらに入られて」
 そうしてというのです。
「すっきりされますか」
「そうして宜しいですか」
「はい、どうぞ」
「それでは」
「お風呂を楽しまれて」 
 そうしてというのです。
「お泊りになって下さい」
「泊まるのは流石に」
「ではお風呂を」
「はい、楽しませて頂きます」
 先生も他の皆も牛女さんのお誘いに頷いてでした、そのうえで。
 檜のお風呂も楽しみました、そうしてからお家に帰って休みました。
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