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ドリトル先生と牛女
第十一幕その八
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「そうでした」
「そうだったのですか」
「ですが日本の漫画家さんが出している妖怪の図鑑の様な本を読みまして」
「あっ、妖怪博士さんですね」
 牛女さんは漫画家さんと聞いてすぐにわかりました。
「あの方ですね」
「妖怪博士さんですか」
「ずっと妖怪の漫画を描いておられ」
「物凄く妖怪に詳しい方でしたね」
「それでお亡くなりになって」
 そしてというのです。
「今は妖怪になられて」
「妖怪博士にですか」
「そう呼ばれています、お姿はそのままです」
「そうなのですね」
「あまりにも妖怪がお好きで」
 それでというのです。
「人間としての一生を終えますと」
「妖怪になられましたか」
「そうなられまして」
「今はですか」
「私達の素晴らしいお友達です」
「それは何よりですね」
「他にお化け先生もおられます」
 牛女さんは海草とレタス、和風ドレッシングで味付けされたそれを食べながらそのうえでお話しました。
「その方も」
「その方も元は人間ですか」
「はい、明治から昭和にかけて活躍された文豪さんで」
「妖怪でそうした方ですと」
 先生は微笑んで言いました。
「泉鏡花さんですか」
「おわかりですか」
「はい、あの人もそうでしたね」
 先生は牛女さんに笑顔で応えました。
「妖怪がお好きでしたね」
「そして多くの作品を残されましたね」
「だからですね」
「人としての一生を終えられて」
 そしてというのです。
「今はです」
「妖怪としてですか」
「いつも執筆しておられます」
「多作な方でしたし」
「そうして楽しんでおられます、湯豆腐もお好きですし」
「生ものは今もですか」
「非常に清潔な方です」
 妖怪になってもというのです。
「左様です」
「そうなのですね」
「はい、それで妖怪博士のですね」
「本を読みまして」
 そうしてというのです。
「僕も今ではです」
「妖怪の身体のことをご存知ですか」
「そうなっています」
「では診察もですね」
「出来ます、妖怪さんごとに」
「それは何よりですね」
「まさかそんな本がこの世にあるとは」
 先生は豆腐料理を食べつつ言いました、こちらも素晴らしい美味しさです。
「思いませんでした」
「そうでしたか」
「はい、凄い本ですね」
「そして凄い漫画家さんですね」
「そう思います、ただ妖怪の漫画を描かれるだけでなく」
「妖怪に実に親しんでおられて」
「その生態のことまで、ですね」
 そうしたことまでというのです。
「調べておられたんですね」
「そうでした」
「本当の意味での妖怪に親しんでおられた」
「そうした方です」
「だから今は妖怪になられていますか」
「妖怪になられて凄くです」
 牛女さんは笑顔でお話し
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