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ドリトル先生と牛女
第十一幕その四

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「それこそが大事だね」
「病気は最初からならない」
「そうね」
 チープサイドの家族もお話します。
「それが一番で」
「健康管理からだね」
「流石先生だね」
「そうしたことからってお話するからね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「病気になって患者さんが来て儲かるとか考えないから」
「両親的だよ」
「世の中そんなお医者さんもいるみたいだし」
 老馬はどうかというお顔で言いました。
「皆病気になって自分の病院に来てくれとかね」
「確かに患者さんが来ないと病院も成り立たないけれど」 
 チーチーはこの現実から言いました。
「人の病気を願うのはやっぱりよくないよ」
「そう、人の身体のことはね」
 先生も言います。
「まず健康であることを願わないとね」
「駄目だよね」
「それが人として正しいね」
「あるべき姿ね」
「本当に」
「そう思うよ、そもそも人は気をつけていても」
 それでもというのです。
「どうしても病気になるしね」
「そうだよね」
「生きているとね」
「絶対に病気になるよね」
「どんな生きものも」
「うん、人は絶対に老いてね」
 そしてというのです。
「衰えていくしね」
「そうだよね」
「どんな生きものもね」
「不老不死なんてなくて」
「歳を取ってね」
「弱っていくわね」
「それと共に病気にもなるし」
 先生はさらにお話しました。
「その時の体調で病気にもなるし」
「健康な人が風邪ひくしね」
「そんなことだってあるし」
「そう考えるとね」
「普通に病気になるね」
「そうよね」
「だから人の病気を願わなくても」
 それでもというのです。
「普通にね」
「誰でも病気になって」
「それで病院に来るから」
「人の病気を願わなくていいね」
「そうよね」
「何故医学があってお医者さんがいるのか」
 そもそもというのです。
「この世に絶対に必要だからでね」
「そうだよね」
「だからあるし」
「先生だってお医者さんだし」
「お医者さんがいない社会は考えられないね」
「だから病院もあるしね」
 こちらの施設もです。
「それで人に病気になってもっと患者さんが来いとかね」
「そう思うことはだね」
「よくないね」
「人として」
「そうしたことは」
「そうだよ、そもそも医術は仁術ともいうし」
 この言葉もあるというのです。
「だからね」
「余計によね」
「そうしたことを願うべきじゃないわね」
「お医者さんならね」
「尚更ね」
「そう思うよ」
 先生はバウンドケーキを食べつつ言いました。
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