最終章:無限の可能性
第266話「再会の王達」
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
なく数を減らしていたつもりだった。
だが、実際に残ったのは同じ“性質”の神と“天使”だけだ。
攻撃ではなく回避や防御だけなら、あの数でも“性質”を使えたのだろう。
「来るか」
干渉しあわないように純粋な理力で戦っていたが、今はその制限がなくなる。
いくら世界そのものの“領域”に相殺されているとはいえ、強力には変わりない。
「ッ……!」
「あ、がっ……!?」
理力の動きを感知した瞬間、オリヴィエとクラウスが潰された。
空間そのものを圧縮し、それで二人も一緒に圧縮したのだ。
「さっきまでと同じと思うな!」
「くっ……!」
「これは……!」
優輝と緋雪も無事ではなかった。
理力の防御と生物兵器としての回復力で耐えたが、物理的ダメージは深刻だ。
「空間ごと圧縮か……なるほど、だから僕らの攻撃から逃れていたのか」
優輝達を中心に、半径数百メートルに渡る大地が半球状に抉れていた。
これは、優輝達を中心に球状に空間を圧縮した事による影響だろう。
そして、そんな空間に関する“性質”なため、優輝達の攻撃から逃れられたのだ。
「“空間の性質”。転移で逃げなくて正解だったな」
「……そっか、遠い方が一方的だもんね」
先ほどの攻撃は、優輝だけなら範囲外まで転移で逃れる事は出来た。
しかし、そうしていれば遠距離から一方的に空間圧縮を連打されてしまう。
どの道、肉薄しなければ倒す事が出来ないのだ。
「僕が引き付ける。緋雪はオリヴィエとクラウスを頼む」
「うん!」
会話している時間は惜しいため、すぐに行動に移す。
優輝は転移し、敵陣の中へ。
敢えて相手の懐に入る事で、大規模な技を使えなくさせるつもりだ。
「なっ!?」
それだけではない。
空間を切り離す事で、一切の干渉を受け付けなくする“性質”による障壁。
それが、まるで存在しないかのように破られたのだ。
「理力を用い、“性質”を使う。もしくは、相応の“意志”を込める。……いかなる“性質”だろうと、そうすれば突破できる“可能性”は、ゼロじゃない」
「ッ……無茶苦茶な!」
一人の“天使”が理力に呑まれ、別の“天使”が思わずそう叫ぶ。
つまり、優輝は“意志”を込め、障壁を破れる“可能性”を生み出し、その“可能性”を“性質”を使う事で引き当てたのだ。
「貴様ッ……!」
「今のこの世界に攻めてきた時点で、お前たちにも敗北する“可能性”はある。……後は、その“可能性”を引き寄せればいい」
―――“破綻せよ、理よ”
優輝の言葉と共に、数人が爆ぜる。
地上を見れば、緋雪が“破壊の瞳”を握り潰
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ