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夢幻水滸伝
第百六十九話 適時投入その九

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「砲撃も用意だ」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「総攻撃を仕掛け」
「敵軍を倒していきますか」
「元論おいらもだぜ」
 虎徹を手にしての言葉だった。
「やってやるぜ」
「はい、それじゃあ」
「やってやりましょう」
「総攻撃仕掛けましょう」
「軍師さんもそれでいいよな」
 幸田は貝殻を出して采配を執る芥川に問うた。
「それで」
「まさにその好機や」
 芥川もこう返す。
「今はな」
「そうだよな」
「頼むで」
「ああ、じゃあな」
「自分の師団も攻勢に出て」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「全軍だよな」
「それだけ出来る星のモンが揃った」
 一騎打ちに勝ってのことであることは言うまでもない。
「そやからな」
「それでだよな」
「総攻撃に出るで」
「じゃあな」
 こう話してそのうえでだった。
 幸田は自分が率いている師団を総攻撃に移した、そして日本軍全軍もそれに移った。するとだった。
 星の者がいない連合軍は日本側にいる彼等の攻撃も受けてそのうえで一気に崩れだした、それまでは攻撃を受けつつも形は充分に保っていたが。
 それが崩れてだ、数の優位も保てなくなり。
 千百万の軍勢が六十万の軍勢に崩されだした、綾乃はそれを見て言った。
「遂にやね」
「ああ、敵軍が崩れたな」
「そうなったな」
「待ちに待ったな」
「この時が来たな」
「そうなったわ、やっぱり星の子の力はちゃうわ」
 まさにとだ、綾乃は大蛇に話した。
「何といってもな」
「ほんまにそやな」
「今の状況はそれやな」
「星の人が多く戦に加わるとな」
「それだけで全くちゃう」
「相手の星の子は封じてこっちはそれで戦う」
 芥川が考えだしたこの戦術についても話した。
「ほんま効果あるわ」
「実際にな」
「これ以上ないまでにな」
「こんな強いもんないで」
「そう言えるわ」
「ほんまにそやね、ほなやね」
 綾乃はさらに言った。
「ここはやね」
「ああ、わし等もな」
「攻めていこうな」
「空の上から攻撃続行や」
「そうしてくで」
「空の戦も海の戦も完全にこっちの流れになったし」
 見ればどちらの戦もそうなっていた、数では二十倍近く劣っている日本軍だったが装備の質と将兵の練度に加えて。
 星の者が何十人も加わったことにより戦局を一気に自分達のものとしていた、それが空でも海でもだったのだ。
 連合軍の空船は次々に撃墜され軍艦は撃沈されていっていた、綾乃はその状況も見て大蛇に話した。
「うち等もな」
「攻めてくな」
「これまで通りそうしていって」
「そしてやな」
「より敵に打撃与えてくな」
「そうしてくで、あと一歩で」
 まさにそれでというのだ。
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