第百六十九話 適時投入その六
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「またしないな」
「それはこっちもじゃ」
井伏はインファンテの言葉に闊達な笑顔で応えた。
「ええ勝負じゃった」
「ほんまにのう」
「また機会があれば、いや仲間になったらな」
「訓練でやな」
「思う存分やるか」
「そやな」
「その時が楽しみじゃ」
井伏は笑って述べた、そしてだった。
敗北を認め戦場を離脱するインファンテと別れ軍勢同士の戦に加わった、彼は今度は敵軍に対して相撲の技を使った。
その彼の横に山本が来て言ってきた。
「勝って何よりじゃ」
「こんなも勝ったか」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「そうじゃからここにおる」
「そうじゃな」
「ほなじゃ」
「二人で戦うか」
「この戦ものう」
「わしはこんなが横におるとな」
井伏は山本ににやりと笑って話した。
「それだけで安心出来る」
「そう言ってくれるか」
「そうじゃ、こんなとは起きた時もこの世界でもいつも一緒じゃ」
「だからじゃな」
「絆があるからのう」
「絆か」
「そうじゃ、こんなも感じてるじゃろ」
「ああ、こんながわしを救ってくれたからな」
山本は井伏と巡り合った時のことを思い出した、そうして彼に話した。
「そやからじゃ」
「わしと一緒だとか」
「力強い、ほなじゃ」
「ここからじゃな」
「二人で全力で戦うか」
「そうして勝つんじゃ」
こう話してだった。
二人で芥川の采配の下軍勢を率いて戦う、二人は前にいる敵軍を薙ぎ倒していった。一騎打ちは日本側の勝利が続いていた。
それを見て喜久子は室生に言った。
「やっぱり一騎打ちは相性ですね」
「そうだな、星の者でも個性がある」
「戦に優れた人、政に優れた人と」
「それぞれだ」
「職業、種族もありますし」
「日本は一騎打ちが出来る星の者も多い」
このことを言うのだった。
「実にな」
「左様ですね」
「その者を送るが」
その中でもというのだ。
「そこでもだ」
「相性を考えて挑む」
「こちらから見て相性がいい相手にな」
「そうして我々はこれまで勝ってきましたね」
「そうだな、特にだ」
「松尾さんですね」
喜久子は自然と日毬の名前を出した。
「あの人ですね」
「そうだ、彼女はな」
「こと一騎打ちについては」
「彼女はとにかく強い」
「神具は全て刀ですし」
「剣技も凄まじい」
それ故にというのだ。
「だからだ」
「松尾さんは、ですね」
「一騎打ちにおいてはな」
「太平洋と地下世界最強ですね」
「軍勢を率いたり術を使うよりも」
「剣技ですね」
「軍勢を率いることも術を使うことも不得手ではないが」
それでもというのだ。
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