第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第81話 明日への挑戦1/4
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ルギーが瞬く間に無くなってしまうからである。
勇美は自分が人間である事をよく認識しながら戦っているのだ。これは最初にメディスンと戦った時から忘れずに心掛けている事だった。
「賢明な心掛けね、見事よ」
依姫もその事に気付き、勇美に対して労いの言葉を掛ける。
「そう言ってもらえると光栄ですね」
依姫にそう評価の言葉を掛けられる事となった勇美は素直に喜びの意思を示した。
「ますます成長しているわね勇美。ここからがもっと楽しみだわ。では次に行くわ」
「はい」
依姫に言われて返事をした後で勇美はごくりと唾を飲む。最初の難関をクリアしたものの、勝負はまだまだこれからなのだと気を引き締めるのだった。
そして依姫は次なる神をその身に降ろす宣言をする。
「『金山彦命』よ!」
第二の指名を受けた神は、金属を司り操る神であった。
それと同時に依姫は自前の刀を眼前に翳したのだ。金山彦命は金属を操れはすれど、生成は出来ないのだ。要は質量保存の法則は無視出来ないという事だ。
だから依姫は刀の刃の金属を金山彦命の力に利用しようと考えた訳である。そして、その為のスペル宣言を依姫は行う。
「【鉄弾「アイアンタスラム」】」
その言葉を合図に受けて、依姫の刀はみるみるうちに砂のように分解されていったのである。
そして当然起こるのが、金属の再構成である。先程分解された金属はじわじわと依姫の頭上に形作られていった。
それらは、無数の金属の弾丸となって宙に浮いていたのだった。勿論その重力を無視した状態は依姫の思念で作られている訳だ。
それを今、依姫は解除する。
「撃てっ!」
言って依姫が手を振り下ろすと、今まで宙で静止していた弾丸は次々に意思を持つかのように射出されていった。
目指すは他でもない、勇美の下である。だが、勇美とて易々とその攻撃を受ける気はなかったのである。
彼女は目の前に迫った金属の弾丸を、余裕を持って回避したのだ。それはもうおちゃのこさいさいといった様子で。
今まで幻想郷で鍛えられた回避能力である。他の弾幕少女達と肩を並べられる程のそれになった勇美は、その事を誇りに思った。
そして、攻撃目標を失った金属の群れはあらぬ方向へと飛び去っていった。これで一安心か? だが勇美はここで油断はしていなかったのである。
依姫がこんなお粗末な攻撃をするだろうか。もしそうなら自分は決して憧れてはいなかっただろう。
そんな勇美の読みは的中する事となる。ふと依姫を見ると、密かに何やら指で合図を送っていたのだ。
それに勇美が気付くや否やであった。彼女はその身に違和感を覚えたのである。
その感覚に答えるべく勇美が振り返ると、違和感の正体をかいま見る事が出来た。
何と、先程かわした筈の弾丸の群れが再び勇美の下へと
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