暁 〜小説投稿サイト〜
MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第81話 明日への挑戦1/4
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
よろしくないなと勇美は思うのだった。それは最初は小手調べの攻撃を仕掛けてきて、大技は攻略の中盤から終盤にとっておくべきだろうと。
 だが、ここで勇美はこうも思う。依姫さんは断じてゲームのボスキャラなどではないのだからと。彼女は自分と同じ条件で戦いに挑んでいる立派な相手なのだと。
 でも、そういえば開幕に大技ぶちこんでくるボスもいたなあと勇美はこうも思っていた。確か神々の黄昏の名前を冠した剣を護っているドラゴンとか。
 あっ、とそこで勇美は思った。この難題の攻略はその理不尽なドラゴンにあやかってしまおうと。
 そして、勇美が選んだ神々は『風神』と『ネプチューン』であった。
 手筈は整った。後は勇美は自前の機械仕掛けの分身にそれを投入するだけである。
 勇美はいつも通りに機械の相棒マックスに、神降ろしによる力を注ぎ込んでいった。
 みるみるうちに、ガシャガシャと音を立てながらその姿を変えていくマックス。その先にあったもの……それは鮮やかな水色で彩られた機械の龍であった。
 目には目を、龍には龍を……と勇美が狙った訳ではなく、偶然に奇しくも二頭の龍がこの場に揃い踏みをしたのである。
「おやまあ……」
 その様子を紫は実に壮観だと思いながら端から見据えていた。永い時を生きた自分ではあれど、こうも目を引く光景はそうそう頻繁にはお目に掛かる事は出来ないからだ。
 ましてや、その片方を人間である勇美が行っているというのが驚きの事実であるのだ。
(でも……それでこそ勇美さんね)
 そう紫は思っていたのだ。勇美は自分が見込んだ者。だからこそこれ位やってなんぼなのだと。
 紫がそう思いながら見ていたが、勇美はどう出るのか。その答えが今明らかとなる。
「【深流「開幕直後のタイダルウェーブ」】!!」
 その宣言後、水色の機械龍の口から大量の水が吐き出される。それに加えてその口から更に荒れ狂う暴風が繰り出されたのだ。
 それが意味する所は、強力な局地的な津波が生成されたという事である。
 そして、その流れが向かう先は炎の八つ首龍の所であった。
 炎は水に弱い。その特性は例え『神製』のものでも例外はなかったようで、八龍は津波に飲まれて瞬く間にかき消されてしまったのだ。
 だが、相手が作り出したのは神の火、それも奮発した大物の一品だった。
 故に勇美は自分も開幕からとびっきりの大技を繰り出そう、そう思っての決断であった。
 その判断は的確だったようで、勇美は依姫の火雷神の力を見事に撃退に成功したのである。
「よしっ!」
 そう歓喜の念を放ちながら勇美はまずは第一関門は突破したと心踊らせた。
 続いて勇美は、目の前に顕現させている機械の龍の形態を神々を送還させる事で解除したのだ。
 それは今のような津波は何度も発動しては勇美が含有するエネ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ