第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第81話 明日への挑戦1/4
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」
その圧倒的な威圧感に、勇美は思わず気の抜けそうな声を出してしまう。そして、最初からいきなりこのような大技なのかと呆気に取られるのだった。
確かに依姫が行った記念すべき最初の弾幕ごっこで使用した神降ろしは他でもない、この火雷神なのである。
だが、その条件を律儀に守って律儀に最初から猛進をしてこなくてもいいのではと勇美は思うのだった。
しかし、それと同時に勇美は分かっていたのだ。断じてこれは依姫が融通が利かないが故にやった事ではないのだと。
幻想郷最速の鴉天狗の射命丸文、失礼になるかも知れないが彼女は真面目だが融通の利かない性格なのだ。
勿論それは文の個性であるし、この場でそれを責めるというのは些か野暮というものであろう。
今明確にすべきなのは、同じ真面目な性格でも依姫は決して融通の利かない者ではないという事である。
確かに依姫には拘りやポリシーが強い部分があるが、寧ろ彼女は物事に柔軟に向き合う性質なのである。出なければあの時、魔理沙の提案で弾幕ごっこによる勝負を引き受けはしなかっただろう。
つまり、今こうして依姫が最初から本気で攻めるのは『これ位乗り越えてみせなさい』というメッセージであると勇美は受け取ったのである。
(よし!)
そう思い至った勇美は、依姫の心意気を全面から受け取った。ならば自分も本気でそれに立ち向かうだけである。
そこへ、とうとう依姫の攻撃が始まる。
「【炎射「ヤマタノランチャー」】」
彼女のこの勝負最初のスペル宣言が行われた訳である。それに従い、炎の八つ首はその口に自分と同じ成分である炎の弾を形成し始めたのである。
その火雷神の行使の仕方はかつての咲夜の時とは違う代物であったが、別段勇美は驚かなかったのである。
それは、依姫は神降ろしを月での戦いに準えるとは決めたが、使い方まであの時と同じにするとは言っていないからだ。
依姫とて示したいのだ。あれから『弾幕使い』として成長した事を。
勇美はまず行われた炎の砲撃を、今までの経験でつちかった身のこなしでひらりとかわした。
「まずは見事にかわしたわね。でも忘れてはいないでしょうね?」
「ええ」
依姫の指摘に勇美は素直に頷く。そう、たった一度砲撃をかわしただけではこの弾幕の攻略には程遠いのだ。
そして、第二の炎の砲撃が行われたのである。それも勇美はひらりとかわす。だが、当然それだけでは終わらない。
何せ『砲台』は八つあるのだから。一つの首が炎を吐いたと思えば他の首が次なる攻撃を繰り出してくるのだ。
最初は勇美は堅実にその連撃を着実に次々に避けていたが、やはり彼女は人間の身。その体力には限界があるのだった。
(やっぱりしんどいね……)
やはり開幕からの猛攻というのは、ゲームのボスキャラという観点から見ると
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