第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第81話 明日への挑戦1/4
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大仕事とは何か。その答えはすぐに分かる事となる。
「それでは依姫さん、始めましょうか?」
「ええ、そう始めましょうね──貴方と私の弾幕ごっこをね……」
そう、『勇美と依姫の弾幕ごっこ』。それが今行われようとしている事の答えであったのだ。
それも、かつて慧音の為に行った特別授業の時のような恐竜を模した弾幕ごっこのようなパフォーマンスではなく、今回は真剣な実力勝負なのである。
そういう話になったのは、勇美が遠音ランティスの異変の解決に貢献した事や、彼女が先日紫と話し合って正式に幻想郷の一員となった事が影響しているのだ。
それに加えて、勇美自身がこれまでの経験で自らの成長を実感出来たというのが大きいのだ。
それらの事を踏まえて、新たな一歩を踏むために勇美は彼女にとって一番の恩師である依姫に自分のこれまでの成長を見て欲しいと、依姫と話し合って決めた事なのであった。
しかし、成長したとはいえ、今の勇美では依姫に勝つのは難しいだろう。それは無理もないだろう。例え勇美でなくても依姫に勝てる者は少ないのだから。
だが、勇美は決して『負けて当然』という楽観的な心構えでこの勝負に挑む気はなかった。
それは依姫に対して失礼に当たるし、何よりこれからも高みを目指す勇美自身にとっても自分を裏切る事に繋がるからである。
だから、依姫はこう勇美に言うのだった。
「勇美、私に勝つつもりで来なさい」
「はい!」
◇ ◇ ◇
そして、黒銀勇美と綿月依姫の貴重な勝負が始まろうとしていた。その前に今一度、互いの間で取り決めたこの勝負のルールを確認する事とする。
「まず、この勝負で神降ろしに関して神々には『中立』となって頂く事とするわ」
「はい、ようは互いに神様をシェアする事が出来るという事ですね」
「ええ、そういう事よ」
その取り決めが意味する事。それは神々は勇美と依姫、どちらか片方の味方に徹しはしないという事である。
例えば依姫が降ろした神の力を、次に勇美が行使する事が出来る訳だ。
それにより二人は相手の神降ろしの内容に干渉されずに、自分の考えた戦法を思う存分実行出来るのである。
そして、次の取り決めを依姫は口にする。
「次に決めた通り、私がこの勝負で使う神降ろしは、月で魔理沙達と戦った時に使ったものしか使用しないという事ね」
「はい」
そう述べた依姫の取り決めにも勇美は納得していた。
この取り決めを行ったのは、勇美側を有利にするためである。いくら勇美が成長したとはいえ、依姫との実力の差は大きいからだ。
なので勇美がよく見知った神降ろしのみを依姫が使う事で、勇美にとって攻略しやすくし、彼女が勝てる見込みを作るのが目的であった。
随分と勇美に有利な取り決めだろう。本来ならこのようなあからさまなハンデ
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