第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第78話 あの人からのお招き1/3
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くるのだ。
つまり、その交流には無限の可能性というものがあるのだ。それを幻想郷の管理者の一人たる霊夢も喜ばしく思うのだった。
こうして、二人は互いに憩いの時を過ごしたのだった。そして、暫し解散の時を迎えようとしていた。
「それじゃあね、勇美」
「はい、今日はありがとうございました。楽しかったですよ」
「それは何よりね」
そう二人が言い合い、それぞれの帰る場所へと向かおうとした時、おもむろに言葉を発したのは霊夢であった。
「あんた一人だと接しやすいわね。どうもあんたといつもいるお気に入りのあいつはね……」
霊夢らしくなく歯切れの悪いはぐらかし方で言っていたが、勇美にはすぐにそれが誰だか分かるのだった。
「あ、依姫さんの事ですねぇ……」
そう正解を言い当てた勇美は、少々苦笑いを浮かべていた。その人物は勇美にとってはかけがえのない存在であるが、やはり霊夢にとっては苦手な人なのかと。
そんなやるせなさを見せる勇美に気を遣ってか、霊夢は言葉を続けた。
「まあ、勘違いはしないでね。私はあいつの事は別に嫌いじゃない訳だからね。ただちょっと苦手なだけで」
そう、霊夢は依姫の事を別に嫌ってはいないのである。少し相性というものが馴染まないだけであるのだ。
それには色々な要因があるのだ。
まず、霊夢は基本的に優しくも厳しくもない、そのような性格をしているのだ。だが、依姫は全くといっていい程その逆なのである。
それは言わずもがな、依姫は優しさと厳しさを兼ねた人物像なのだ。その事が玉兎の人柄にもいい影響を与えているのだが、霊夢とは違うその要素に彼女は内心困惑をしてしまうという事なのであった。
次に、霊夢と依姫のスタイルの違いである。
まず、霊夢は『無重力』と称される事が示すように、何物にも囚われない自由な立ち振る舞いをモットーとしているのだ。
それに対して依姫は正に『地に足を付けている』と形容するに相応しい方針なのだ。自分に課題を課してそれをこなしていくという堅実な生き様なのが依姫というものなのである。
その方針の違い故に霊夢は自分とは違い、それでいて数少ない自分に太刀打ち……いや、今の時点では凌駕する依姫に、彼女とて戸惑いに似たものを覚えるのである。
だが、霊夢には分かっていた。そんな依姫という存在が今後、自分の成長に必要になってくると。それ故に紫はかつて月で自分が依姫と対峙する状況へと誘導しただろうという事も。
だから、霊夢は今後依姫とは積極的に接していかなければいけないだろうとも考えるのだった。
だが、いきなりそのように打ち解ける事は霊夢のみならず、依姫の方から見ても難しいだろう。
だから、焦らずに事を進めていこうと霊夢は思うのだった。なので、今回のように依姫に会う事なく勇美と一緒にお茶を出来た
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