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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第78話 あの人からのお招き1/3
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「安心して勇美、このような事が二度とないように、スペルカードのルールは洗いざらい徹底するわ」
 そう霊夢は言い切ったのだ。そう彼女にさせる理由はあった。
 それは、かつて月で依姫と戦った時に、月人の弱みにつけ込み穢れをばら蒔くという言度同断な事を彼女は犯してしまったからである。
 何も完全に月を崩壊させようと意図的に行った事ではなく、そして霊夢自身にも後ろめたさが感じられていた事もあり大事にはいたらなかったのである。しかし、その暴挙は自ら創り上げたスペルカード戦のルールを彼女自身が汚しかけた事に他ならないのであった。
 だから、罪滅ぼしと反省の意味も込めて、霊夢はランティスが行ったような凶行が二度とされないようにスペルカードのルールの見直しと徹底をしなければならないと思案するのだ。
 勿論、霊夢自身もこの機会に弾幕ごっこのしきたりを見直さなければならないだろう。でなければ、彼女自身もランティスと同類になりかねないのだから。
 無重力と言われる性質の霊夢だが、こればかりはすべからく地に足を付けて臨まなければならないだろう。
 そんな霊夢の心意気が勇美にも伝わったようで、彼女は霊夢に向き合って力強く言うのだった。
「霊夢さん、期待していますよ。私は弾幕ごっこが大好きなのですからね」
 その勇美の言葉に嘘偽りはないのであった。何せ彼女をここまで成長させた一因に、弾幕ごっこは事欠けはしないのだから。
 霊夢もそれを分かっているので、彼女も胸を張ってこう答えた。
「ええ、勇美の気持ちは無駄にはしないわ」
 そう言い合って、気付けば二人は固い握手を交わしていたのだった。
 その新たに生まれた絆の元、二人の話は話題が変わる事となる。
「ところで、あんた今夜『あいつ』の所に泊まるんだって?」
「ええ、今から楽しみにしていますよ〜♪」
 霊夢に振られた話題に、勇美はウキウキしながらそう答えた。
「何があるか分からないから気を付けなね。まあ、あいつがあんたを取って喰おうとはしないだろうけど」
 霊夢は彼女らしくなく、そう勇美の身を案じるそ素振りを見せる。それだけ今回勇美が楽しみにしている事はイレギュラーな内容なのだから。
 対して、勇美の方には安心出来る要素があるのだった。その事を彼女は口にする。
「大丈夫ですよ、霊夢さん。何たって豊姫さんが着いて来てくれるんですからね♪」
「それは心強いわねぇ」
 霊夢もその名前を聞いて納得した。それなら勇美には心配要らないだろうと。豊姫の実力は霊夢とて十分に承知なのだから。
「と、いう訳で、今から楽しみな訳ですよ♪」
「ええ、存分に満喫して来なさいな」
『妖怪は基本的に人間を喰う者』。その事実は不変だろう。だが、その中で相見えぬ二つの存在に交流が生まれる時に、言葉に出来ないものが存在して
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