第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第74話 高みへの挑戦:3/3
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。
そして、二人は協力し合ってそれぞれの目で以て辺りを確認していった。
だが、辺りは静まりかえった廃墟の内部が広がるのみであった。しかし、二人は諦める事なく敵の散策を続けていった。
二人がそうしている内に、彼女達に何者かの気配が迫って来たのだ。それに一瞬勇美は驚くが、臆する事なくこう言ってのけた。
「そっちから出て来てくれるなんて好都合だよ♪」
そして、その気配へと指を指して相棒に指示を出す。恐らく手加減のいらない相手であるだろうから、この命令を。
「ブラックカイザー、思いっきりぶった斬っちゃって♪」
その勇美の声を合図に、黒騎士は彼女が指す方向へと刃を思いっきり上から下へと振り下ろしたのだ。
そして、それは一瞬であった。その敵はものの見事に左右から真っ二つに両断されてしまっていた。
その敵の正体を勇美は見ると、それは機械仕掛けの人型の存在であったのだった。ただし浮遊して移動する為か下半身のパーツは省略されたかのような構造となっていた。
そして、その完全な人型ではない機械の兵士はパチパチと火花を散らせて爆散してしまったのだった。
「ふう……」
取り敢えず目の前の敵を倒して一息つく勇美。だが、今の現状は全くを以て安堵する事の出来ない状況なのだ。
その事を勇美は再認識して気を引き締める。まずは今は一体どうなっているのか現状の把握である。
「まずは、ここの外から出てみないとね……」
そう自分に言い聞かせるように呟くと、勇美は今いる建物の外の光が見えている場所へと歩を進めたのだ。
そして、勇美はとうとう建物の外へと赴いたのだ。
「っ!!」
彼女を待っていた光景を目の当たりにして、勇美は声にならない叫びをあげてしまった。
そこは辺り一面廃ビルや壊れかけた建物や瓦礫の山が散乱し、空には暗雲が立ち込める、正に地獄絵図と呼ぶに相応しい光景が繰り広げられていたからだ。
それは、正にSF映画によく出てくる滅びの未来の描写そのものであった。
だが、これは映画ではなく実際に勇美の目の前に展開されている情景なのであった。
勿論紫のスペルカードによる効果である事は分かる。いや、寧ろ、このような効果を出せる彼女の力がいかに底が知れないかを嫌という程示すバロメーターになっていると言えよう。
そして、辺りを見回して目的の人物を見付けた勇美は、その人物に対して離れている為に大声で呼び掛ける。
「これはどういうつもりですか、紫さん!?」
そう勇美に呼び掛けられ、低めのビルの屋上から紫が答えを返してくる。
「これが私の『パラドックスの怪』の力よ」
そう紫は言い切った。これにより今の怪現象は彼女のスペルカードにより引き起こされている事
が証明された。
正に今の状況は近未来からの介入によりタイムパラドッ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ