第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第73話 高みへの挑戦:2/3
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人の存在に頼らずに自分の力で立ち向かう心構えはこの先必要となってくるだろう。
故に、勇美は腹を括る事にしたのだった。ここで立ち向かわなければ、依姫の為にも、そして自分自身の為にもならないのだから。
「紫さん……行きますよ」
覚悟を決めた勇美は、凜とした表情で紫を見据えながら言ってのけた。
「ええ、どこからでもかかってきなさい」
対する紫も堂々とした貫禄で勇美を迎える態度を見せる。
そう二人が互いの心意気を見せた後、勇美は紫に視線を送って狙いを彼女に定めたのだ。
そして、再度心強い相棒の名前を口にする。
「よろしく頼むよ、ブラックカイザー!」
その勇美の言葉に、彼は言葉の代わりに行動で答えを示した。──つまり、彼は跳躍する紫目掛けてその大刀を振り降ろしたのである。
黒騎士が操る大振りの刃は、ぐんぐんと紫へと肉薄していった。だが、彼女は一切臆する態度を見せてはいなかった。
大刀が紫を捉えようとした瞬間であった。その時紫の瞳が再度目に焼き付かんばかりに真っ赤にたぎり光ったのである。
そして、結論から言うと黒騎士の刃は見事に空振りを見せてしまったのだった。
彼の振り下ろした刀の先には、既に紫の姿は無かったのだった。
そして、今回は勇美と彼との視認のコンビネーションも通用しなかったのだった。何せ紫は物理的に移動する事なく、忽然と姿を消してしまったからである。
そうなると……勇美に一抹の不安が胸をよぎった。
「まさか……」
その言葉を口にしながら辺りをキョロキョロと確認に入る勇美。だが、時既に遅しなのであった。
「ふふふ、ご名答……♪」
「!」
突如何もない空間から放たれた声に勇美は反応してしまった。咄嗟にその方向へと視線を向けようとするが、そうは問屋が卸さなかったのだった。
「『いただき』ですわ♪」
その声と共に勇美の背後の頭上に空間の裂け目が発生したかと思うと、そこから紫色のエネルギー弾が吐き出された。
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