第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第73話 高みへの挑戦:2/3
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こったのだった。彼は大刀を自身の頭上へと持ち上げると、そこに天の裁きの如き雷が轟々と轟いたのである。
続いて彼はその天の怒りをその刃に携えながら、勢いよく振り下ろしたのだった。
それによりまるで閃光のように眩い縦筋の光がほとばしったかと思われた後──ものの見事に水色の球体は一刀両段されていた。
暫くは宙に二つに分かれた水色の物体が浮いていたのだが、やがてそれは自分の運命を悟ったかのように潔く爆発してしまった。
それに伴い爆風が起こるが、それをブラックカイザーは自らが盾となって勇美を護ったのである。どこまでも頼もしいナイトであった。
勇美がそうブラックカイザーを巧みに操っている最中にも、敵の攻撃は尚も続いていった。
二体目、三体目の水色の球体が至る所から出現し始めたのである。
だが、新たなる力を使いこなし始めた勇美は臆する事はなかったのだった。
「どんどん来なさい!」
そう勇美は勇ましく敵を迎え撃つ姿勢を見せていった。手始めに目の前に来た球体に狙いを定めて黒騎士に指令を出す。
その命令を受けて、騎士は今度は横薙ぎに大刀を振り、球体が弾を出す前に一刀両断してしまったのだった。
続いて二体目の球体である。今度はすぐには倒される事なく弾をばら蒔いたが、それを臆する事なく的確に黒騎士は切り落としていった。
目の前に迫る敵を粗方倒した二人。ここで一息つこうとした勇美だったが、咄嗟に彼女はプレアデスガンを生成して引き金を引いたのだった。
その方向は今し方勇美が背を向けていた所だ。つまり、勇美は敵の背後からの襲撃にも臆する事なく対処したという事である。
そして、球体は見事に撃ち抜かれて爆散してしまった。水色の破片が飛び散ってから水が乾くように消滅してしまう様は些か奇妙な光景であった。
後、何故勇美が敵の奇襲に気付けたのか説明しなければならないだろう。
その種明かしもブラックカイザーが関わっているのだった。今勇美は彼女自身の瞳からだけでなく、ブラックカイザーのアイセンサーからを通しても視覚の情報が送り込まれて来ている状態なのだった。
その事実に勇美はブラックカイザーを発動した時から気付いていたのである。故に利用しない手はないと咄嗟の判断から、先程彼女自身と黒騎士を背中ばさみの配置にする事であらゆる方向への視野を確保したという事だった訳なのだ。
この咄嗟の判断も、今まで勇美が弾幕ごっこで磨かれた事といえるであろう。つまり、彼女の経験は確実に自身の糧となっていると言えるのだ。
「やるわね……」
そんな新たなる相棒とのコンビネーションを見せつけられた紫は姿を見せない状態でそう呟いた。
正直敵である彼女も驚いているのだ。紫は勇美の実力に応える形でこの『ワルプルギスの夜』を発動したのだが、勇美はそれにすら対
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