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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第73話 高みへの挑戦:2/3
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大刀を握りしめたブラックカイザー。その様子を勇美は満足気に見届けると、それに続いてスペル宣言をするのだった。
「【裁剣「スサ・ブレード」】。ここに見参ですよ♪」
 言い終えた勇美の様子は実に晴れやかなものとなっていた。何と言おうか『やり遂げた』という感じが物凄く強いのだった。
 だが、相手──八雲紫は今まで誰にも見せた事のないスペルを発動し、勇美に対して勝負を仕掛けて来たのだ。その事を忘れてはいけないだろう。
 故に、勇美も気を引き締めなくてはいけないのだ。彼女は『したり顔』となっていたその表情をきりりと締め直して目の前の状況へと再び意識を向けたのだった。
 目の前、いや辺り一面は紫の新スペル『ワルプルギスの夜』で見渡す限り白い霧で包まれていたのだ。そして、それだけで紫が終らせるなどという事は決してないのであった。
 そう踏んでいた勇美であったが、どうやらその予想は的中したようである。突如として霧の中から水色の球体がふわふわと出現したのだから。
 そして、その球体は回転しながら小型のエネルギー弾を大量にばら蒔いたのだった。
 やはり当然というべきか、敵は攻撃をしてくるものなのである。勇美は再度その事を認識し、それでいて冷静に黒騎士に命令を下した。
「ブラックカイザー、受け流して!」
 その勇美の命令に、騎士は頷く事で了承の意を示し、その無骨な瞳を赤く輝かせて応えるのだった。
 その後にブラックカイザーは行動を起こしたのだ。彼は手に持ったその剣をプロペラのように回転させ始めたのである。
 しかも、その剣は分厚い大刀である。それを彼は質量や重量を無視したかのように実に軽々と振り回していったのだ。
 大振りの刀がまるで扇風機のファンのように回転している。そのような所に手を入れては危険極まりないだろう。
 だが、手の代わりにその凶刃の犠牲になろうとしていた者達がすぐそこまで迫っていたのだった。──他でもない、球体がばら蒔いた無数の弾達である。
 それらの弾はまるで吸い込まれるかのように大刀のプロペラへと次々に向かっていき、哀れこれまた次々と切り刻まれていったのだった。
 それによりバチバチともパキパキとも言えないような奇妙な音を立てて砕けていった。
 見事にブラックカイザーは敵の攻撃から勇美を護ったのだった。先程紫に攻撃を当てた事といい、初陣ながら大活躍というものである。
「ありがとう、ブラックカイザー♪」
 そんな生まれ変わった相棒の活躍に、勇美も嬉しくなって親指を上に立てて労う。
「それじゃあ、次は私達の番ですよ♪」
 そう言うと勇美はブラックカイザーに目配せをしたのだ。それに彼は揺るぎなく応える。
 彼は機械の瞳を爛々と輝かせると先程まで片手で回していた大刀を瞬時に両手持ちにしたのだった。
 そして、次の瞬間事は起
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