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MOONDREAMER:第二章〜
第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第73話 高みへの挑戦:2/3
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存在していなかった炎の力へと意識をする。
「迎撃して、ボルケーノランチャー!」
 その指令を受けてブラックカイザーは右手に持ったバズーカ砲の引き金を引く。
 すると、その砲身からマグマを凝縮したような真っ赤にたぎる高熱の弾丸が撃ち出され、紫の大弾へと向かっていき、見事にそれを飲み込んだのである。
 その瞬間、そこから派手に爆炎が巻き起こり、辺りは光と熱で包まれたのだった。
 その目を引く光景もやがて収まっていく。そして紫は意識を再び次の攻撃へと向けよう……そうした時だった。
「隙あり!」
 その掛け声と共に、晴れ始めた視界から、小金色に輝く弾丸の数々が迫ってきたのだった。そして、紫は……反応が少し遅れてしまっていたようだ。
「しまっ……」
 言い切る事も許されず、紫はその身に機関銃の一斉射撃を浴びてしまったのである。彼女の体に当たる度にバチバチとけたたましい音が鳴り響いた。
 そして、その猛攻が収まると紫は床に膝を付いてしまったのだ。
「くぅ……」
 ここまでやるとは。紫はそう思いながら痛みに顔を歪め、唸り声をあげる。
「決まった……」
 あの八雲紫に決定的な打撃を与える事が出来た。勇美は放心的な気分となりながらそう感慨深く呟いた。
 その様子を見ながら依姫も感心していた。ここまで勇美がやるようになるとは驚きだったのだ。
「よくやったわ、勇美」
 故に今回依姫は、彼女には珍しく直接的に勇美を労ったのであった。
「依姫さん……」
 その事に勇美も感じる所があったのか、どこか狐に摘ままれるような心持ちで依姫に返した。
 そんな勇美に気を引き締めさせるべく、依姫は再び口を開く。
「ですが、気をつけなさい。あの八雲紫がこれで終わらせてくれる訳などないのですから」
「はい」
 その言葉に勇美は、全くを以て異論は無かったのである。
 ──そう、ここからが本番。その事を勇美は再認識する。
「ええ、あなた達のご察しの通りですよ。これからがお楽しみといった所ですわ」
 そう言って紫は扇子で口を隠しながら言う。それは彼女の普段通りの振る舞いである。
 つまり、彼女には再び余裕が出てきたという事だ。勇美はそれを見て、逆にごくりと唾を飲み緊張に包まれる。
「これから使うスペルは未だに誰も見せた事はありませんよ」
 そして、紫の口からは驚くべき事実が告げられた訳である。
「光栄ですね。この私にそこまでしてくれるなんて」
 対して勇美は軽口でそれに返すが、未だに内心で緊張を保ったままであった。
 その勇美を前にして、紫からは新たなるスペルカードが宣言される。
「【虹符「ワルプルギスの夜」】……」
「……」
 確かに初めて聞くスペルである。勇美は引き続き気を張らせながら身構えた。
 そして、宣言をした紫から、辺りに白
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