第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第73話 高みへの挑戦:2/3
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るのだろう。何せ今のイシンには最初に『レイセン』と名付けていた位だから。
意外に依姫も自分の名付けに賛同してくれたので勇美は嬉しくなるが、その余韻にはこの勝負の後にでも浸るべきだろう。
今は目の前の強敵に立ち向かう事に意識を集中するのみである。勇美はその為に奥の手を使ったのだから。
そして、勇美はこのブラックカイザーの利点を活用する為に次の行動に移る。
「まず、もう一回『クェーサースプラッシュ』を」
勇美がそう言うと、再度星と金属の力の機関銃『クェーサースプラッシュ』が顕現された。
だが、今回はそれで終わりではなかった。次に勇美は別の神に呼び掛ける。
「『愛宕様』よ、その力を!」
勇美が言うと彼女の眼前に火の神の力が集まり、火炎の渦がそこに発生した。
そして、炎の轟きが収まると、そこには深紅のバズーカ砲が精製されていたのだった。
その名前を勇美は宣言する。
「【噴符「ボルケーノランチャー」】」
お気付きだろうか。勇美は自分の機械精製能力により二種類の火器を精製している事に。
勇美は人間である為に、今まではそれの身で扱える武器しか使えなかったのだ。
だが、今はマックスに跳流の妖力の結晶体を与える事で立派な体躯を持った分身を生み出しているのだ。──それはもう、人間を遥かに凌駕する肉体を持った存在を。
そう、勇美はその存在に持たせたのだ。星と金属の機関銃と、炎のバズーカ砲を。つまりはブラックカイザーの性能を使う事で、一度に二種類の力を行使する事に成功したのだった。
これで準備は整った。後は事を続けるだけである。
「さあ紫さん、勝負を再開しましょう!」
「それでどこまでやれるかしら? 私の『動と静の均衡』はまだ終わってはいないわよ?」
互いに再開の意思は決まったようだ。両者とも十分に再び距離を取る。
その後、最初に動いたのは紫であった。彼女はまず左手に妖力を集めるとそれを素早く撃ち出したのだ。
「ブラックカイザー、まずはクェーサースプラッシュで迎え打って!」
初めて行う、変貌を遂げた相棒に指示を出す戦い方。だが勇美はそれを臆する事なく始めた。
その勇美の指令を受け、機械仕掛けの黒騎士は左手に持った機関銃の引き金を引き、紫の放った連弾に攻撃を合わせたのだ。
それにより互いの攻撃は相殺される。後には何も残らなかった。だが、当然これで終わりである筈がないのだ。
「やりますわね。でもこれでは先程とは変わりませんよ」
言うと紫は左手の迎撃の最中に溜めて置いた右手の妖力の放出を行ったのだ。そう、連射が効く左の攻撃に対して、隙が大きいが高出力の右手の攻撃である。
そして、勢いよく発射された紫の弾はみるみるうちに勇美へと肉薄していった。
だが、勇美は慌てる事はなかった。彼女は先程までは
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