第二章 勇美と依姫の幻想郷奮闘記
第72話 高みへの挑戦:1/3
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その事を疑問に思いながら考え込む勇美を、やっぱり紫も小動物的で可愛いなと思ってしまうのだった。
ずっとその様子を見ていたい気持ちも芽生えていた紫だったが、これでは弾幕ごっこが進まなくなるので答えを教える事にした。
「勇美さん、安心しなさい。この空間の床は結界で出来ていますから、衝撃を吸収しますのよ。だから体をぶつけても余りダメージにはなりませんわ」
「そうなんですか。教えてくれてありがとうございます」
何て都合のいい空間だろうと思いながらも勇美は紫に感謝するのであった。──これで気兼ねなく弾幕ごっこに集中出来ると。
その考えは当の紫とて同じだったようで、彼女はこのような事を言った。
「いえいえ、私達が弾幕ごっこをより楽しめればそれでいいのですよ」
「そ、そうですね」
紫に突如直球的な発言をされて、勇美はたじろいでしまった。やはりこの人は掴み所がないなと。
弾幕でも上手を行かれて、言葉の掛け合いでもいなされてしまった勇美。だからこそ彼女はこの素晴らしい人には負けたくないと闘志を新たに燃やすのであった。
そんな勇美の様子を見ながら、紫は感心したように言う。
「あら、押されているのに目はギラギラしているんですね〜♪」
「ええ、あなた程の者を相手にしていると思うと燃えるってものですよ♪」
互いに興が乗って来たわね。傍らで見ていた依姫は実に興味深そうにその様子を目に焼き付けていたのだった。
──是非とも玉兎達の士気高揚の為に見ていて欲しかったが、生憎彼女達が今この場にいないのは残念だと思うしかなかった。
ならば自分がしかと見届けて彼女達にせめて口伝で伝えようと依姫は心に決める。
そして、個人的には今までずっと自分に着いて来てくれた勇美の勝利を願うのだが、どちらが勝っても意味のある勝負になるだろうと依姫は思うのだった。
さて、依姫が個人的に応援したい勇美であるが、彼女は今押され気味なのであった。
ここで依姫がサポートに出ても勇美にとって恥ずべき事態にはならないだろう。それだけこの『八雲紫』という存在は強大なのだから。
だが、依姫は敢えて手出しはしないと決めるのだった。何故なら今の勇美は助けを求めるような目は決してしてはいなかったからである。
そして、何かやらかす時の目であるとも依姫は分かっていたのだった。それは彼女がずっと傍らで勇美の成長を見守って来たが故に感じられる事なのである。
さて、ここからどう出るか、それを見届けさせてもらおうと依姫はどっしりと腰を据える態度で観戦を続行するのだった。
依姫がそう考えている中で、勇美は口を開いたのである。
「さすがです紫さん。相反するような力を同時に使いこなすなんて。さすがは境界の妖怪って所ですか?」
「ええ、お褒めに預かり光栄ですわ」
勇
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