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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
恋愛-しゅぎょう-
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俺の横を走り去り、すれ違いざまに魔猪達を一刀のもと斬っていく武蔵ちゃん。
数秒とかからず、突然やってきた脅威は沈黙した。
「武蔵ちゃん…?」
「弟子がそんなに頑張ってるのに、師匠が何もしないわけないでしょ。」
そう言いながら、刀についた血をはらって鞘に収める。
「ほら、届けるなら早いうちがいいわよ。日が暮れたらきっともっとヤバいのに襲われるだろうから。」
「あ、うん。そう、だよな…。」
守ってくれたことに感謝し、俺は再び歩み始める。
「ほんと…自分の事だけで精一杯なくせに、人の為にどこまでも頑張る人なのね、私のマスターは。」
「…?今なにか言った?」
「ううん。なーんにも。」
聞き直そうとしたがほら急いだ急いだと急かし、武蔵ちゃんはぐんぐん前に進んでいく。
俺もまた、彼女に置いていかれないよう必死について行く。
日が暮れないうちに早く行こう。
「…にしても。」
歩いているうちに丘のようなところについた。
元は街だったであろう場所が一望出来るが、かつての面影はもうない。
「本当に…こうなっちゃったんだな。」
ビルは倒壊し、巨大な木々はアスファルトどころか建物を突き破って高く伸びている。
ゲームとかでよく見た、人がいなくなった街の末路みたいだ。
日はまだ沈んではいない。早く北へ行かなければ…。
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