第109話
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その場にいる多くの者達が冷や汗をかいて脱力している中レーヴェは静かな笑みを浮かべて呟いた。
「それにしても……メンフィル帝国がエレボニアを遥かに超える精強かつ豊かな国である事は兄やオリヴァルト殿下の話で知ってはいましたが……こうしてメンフィル帝国軍に身を置いてみると、改めてメンフィル帝国の豊かさがわかりますね。」
「ほう……例えば、どういった部分が”豊か”だと感じているんだ、クルトは。」
クルトが呟いた感想が気になったディミトリは興味ありげな表情を浮かべてクルトに訊ねた。
「それはやはり、”食事”を含めた食糧が豊富にある事ですね。今回の戦争では連合を組んでいるクロスベルやヴァイスラントにも供給している上”焦土作戦”の被害を受けたクロイツェン州全土の民達にまで支援できる余裕がある事もそうですが、軍での食事はレパートリーは少ないとはいえ、毎日日替わりで3種類もメニューを選べる上味も一般家庭ではなく大衆食堂レベルですし。」
「フム……俺達にとってはあれが”普通”なのだが、エレボニア帝国軍はそこまで違うのだろうか?」
クルトの話が気になったドゥドゥーは不思議そうな表情を浮かべて疑問を口にした。
「……俺がトールズにいた頃、エレボニアの正規軍の基地の一つである”ガレリア要塞”でも”特別実習”をしたんだが……その時に出された食事の内容は塩辛いコンビーフに味気ない豆のスープ、固すぎる黒パンにチーズ、リンゴで飲み物はただの水だったな。」
「え、ええー……それって、”料理”じゃなくて”非常食”の類だよね?」
「しかも、戦時中は自軍の陣地に派遣されている娼婦とかもいないんだろう?そんなクソッタレな環境で文句も言わずにお国の為に戦っている正規軍の連中にはある意味感心するぜ……」
「……そうだな。そういった質実剛健な部分は貴様も見習うべきだな。」
リィンの答えを聞いたその場にいる多くの者達が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中フランツは引いた様子で呟き、呆れた表情で呟いたフォルデにカイルは静かな表情で指摘した。
「やはり、リィン少将もあの食事を体験されていたんですね……」
「ああ……その口ぶりだとクルトも体験していたようだな?」
クルトは苦笑しながらリィンに確認し、確認されたリィンも苦笑で返してクルトに問い返した。
「ええ、リィン少将もご存じのように叔父上が軍に務めている関係で、一度叔父上に連れられた時に。―――話を戻しますが食事もそうですが、戦時中でありながらも軍に所属している人達が風呂にまで入れる状況には本当に驚きました。レヴォリューションにも二人部屋には全てシャワーが完備されている上、規模は戦艦のよりは小さいとはいえ、艦内に大浴場までありますし……」
「まあ、
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