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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第109話
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くしの身体に宿っているからと言って、女風呂をのぞく等言語道断、わたくしが出てくるまで男風呂に入っていなさい!』と命令されて、仕方なくここにいるのだ。我は別に異性の裸体等興味はないのだがな。」

「ハハ……」

「まあ、正論だな。」

バルディエルの説明を聞いたリィンは苦笑し、ディミトリは納得した様子で頷いた。

「ん?アンタ、そういえば翼はどうしたんだ?」

「ああ。さすがに翼を出したまま湯につかれば、羽が湯に浮いて他の者達が入る気を失くすと思い、人間の姿になっているのだ。」

「ほ〜……って事は天使はその気になれば人間の姿になれるのか。初めて知ったな。」

フォルデの疑問に答えたバルディエルの答えを聞いたクロードは興味ありげな表情を浮かべていた。



「使い魔で思い出したが、メサイア皇女殿下達はどうしているんだ、リィン?」

「ありえないとは思うが、君の中に戻っていて、私達を見ている訳はないだろうな?」

ある事を思い出したドゥドゥーとフェルディナントはリィンに確認し

「ハハ、ちゃんとベルフェゴール達には温泉を楽しむように言って俺の身体から一旦出てもらっていますから、大丈夫です。」

二人の質問にリィンは苦笑しながら答えた。そしてリィン達はそれぞれ露天風呂に浸かり始めた。




「フウ……まさか、戦争で”軍”に参加している状況で露天風呂にゆっくり浸かれるなんていう贅沢を体験できるとは思わなかったです……僕達だけこんな贅沢ができるなんて、他のリィン隊の人達もそうですが、灰獅子隊のそれぞれの部隊に所属している人達にはちょっと悪いですね……」

「それなら大丈夫だぜ。リィンの提案でリィン隊の連中もそうだが、他の部隊の連中も昼の間に交代で露天風呂を堪能していたから、俺達が最後だ。」

ふと呟いたクルトの懸念を聞いたクロードがクルトに指摘し

「え……そうなんですか?」

「ああ。さすがに人数が多いから、俺達程長くは入る事はできなかったが、みんな、戦い続きによる疲労は取れた様子だったよ。」

クロードの話を聞いて驚きの表情を浮かべたクルトに訊ねられたリィンは頷いて答えた。



「まあリィンが提案しなくても自分達だけ楽しんで部下達には楽しまさせないといった、”上に立つ者”として失格な事をするつもりはなかったから、元々僕かフェルディナント君が提案するつもりだったろうけどね。」

「その通り、何せ私達は下の者達を導く上官にして、民達を導く”貴族”なのだからね!下の者達を気遣う事もまた貴族の義務(ノブレスオブリージュ)さ!」

「フッ、欲に満ちたエレボニアの貴族共とは無縁の”義務”だろうな。」

髪をかきあげたローレンツと高々と宣言したフェルディナントの言葉に
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