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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
師匠-むさし-
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い、目を見開いて俺を見たまま固まってる武蔵ちゃん。
なんだ、本当になんなんだ。

「髭のせいで分からなかったけど…童顔なのね…。」
「あ、ああうん…。」
「嘘でしょ…私のマスター、顔良すぎ…。」

何か小声で呟いてたけど聞こえなかった。

「あ、あのさ!」
「?」

ここで話を変えよう。
いや、シャワーを浴びながらずっと考えていた事がある。

「俺…強くなりたいんだ。」
「藪から棒ね。とはいってもマスターを守るのはサーヴァントの役目だってさっき」
「違う…そうじゃないんだ。」

土下座を決めこんだ際、一瞬だけ見せた武蔵ちゃんの冷たい視線。
あれは未だに俺の心に深く突き刺さっている。

「今のままじゃ…ダメかなと思って…。」
「ダメって…どういうこと?」
「その…弱いままじゃ…このままの俺だったら…宮本武蔵のマスターに相応しくないんじゃないかって。」
「…。」

マスターを守るのがサーヴァントの役目。
けど、それに守られてばかりで本人は弱いままでいいのだろうか?
モンスターに土下座は通用するか?いやしない。

「明日明後日いきなり強くなれるなんて無理だ。だから…。」
「…だから?」

俺は本日2度目の土下座をかます。

「俺を…強くして欲しい。平たく言えば弟子にして欲しいんだ。」
「…。」

おこがましい言葉なのは百も承知だ。
けど、強くなるためにはこれしかない。
彼女に相応しくなるためには、そして今の自分を変えるためにはこれしか方法がないんだ。

「サーヴァントに弟子入りするマスター。おかしな話ね。生憎だけど私弟子とかとる性分じゃないし…。」
「その…そこをなんとか…!」

失望されたくない。
またあの冷たい視線で見られたくない。
そんな思いが心の中を駆け巡り、絞り出すような声で懇願した。

「…本気?」
「…え?」

武蔵ちゃんがしゃがみこみ、俺の顔を覗き込む。

「本気かどうか。それだけを聞いてるの。」
「で、でも…。」
「確かに弟子とかとる性分じゃないとは言ったけど、嫌とは言ってないわ。で、どうするの?」

答えは、揺るがない。

「なります…!武蔵ちゃんの弟子に…弟子にしてください!!」
「うん、よかろう。言っとくけど私は厳しいわよ?」
「厳しくてもいい…俺は…俺は変わりたいんだ!弱くて、媚びへつらったなよなよしたままの自分じゃなくて…武蔵ちゃんのマスターとして隣に立てる男になりたい…!」

そっか、とだけ言い武蔵ちゃんは立ち上がる。

「ほら、顔上げて。人にそう簡単に頭を下げるのもあんまり良くないと思うけど?」
「あ、は、はい!」

そういい武蔵ちゃんはシャワールームへと歩いていった。

「じゃあ、私シャワ
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