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夢幻水滸伝
第百六十八話 力の差その十三
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「絶対にや」
「それはさせたらあかん」
「それはそうやが」
「しかしな」
「わし等ではどうにもならん」
 彼等はこのことに歯噛みするしかなかった、戦っても返り討ちになることは火を見るより明らかだから攻められなかったのだ。
 それでだ、アレンカールも言った。
「まずいわね」
「芥川の兄さんがやな」
 彼にケツアルコアトルが応えた。
「後方で暴れ回ってるな」
「ええ、こっちの整備基地や補給基地を壊してまわってるわ」
「武器も弾薬も兵糧もな」
「予備がなくなっていってるわ」
「凄まじい勢いでな」
「彼の動きを放っておいたら」
 アレンカールは苦い顔で述べた。
「とんでもないことになるわ」
「間違いなくな」
「だから行ってやっつけたいわ」
「それは紫の姉さんについても」
「ええ、綾乃ちゃんについてもね」
 アレンカールは彼女の話もした。
「同じよ」
「そやな」
「軍勢に絨毯爆撃みたいな攻撃を行ってるから」
「八岐大蛇と自分の術で」
「洒落になっていないわ」
 綾乃は綾乃で連合軍から見てそうなっていることも話した。
「ほんまにね」
「そやな」
「二人をどうにかしないと」
 それこそというのだ。
「我が軍は滅茶苦茶になるわ」
「ほんまにな」
「何とかしたいけど」
「それは出来んな」
「そや」 
 こう言ってだ、そうしてだった。
 アレンカールはケツアルコアトルと共に前を見据えた、見ればそこには中里そして鵺がいる。その彼等を見て言うのだった。
「相手がいるからね」
「今のわし等にはな」
「彼等をやっつけないとね」
「わし等はどうにも出来んな」
「何で僕等が自分と闘ってるか」
 中里も言ってきた、真剣な面持ちでその両手にそれぞれ一本ずつ神具を持っていて鵺に跨っている。
「その意味もあるんや」
「一騎打ちであたいを倒すだけやなくて」
「そや、自分の足止めや」 
 この意味もあってというのだ。
「それでや」
「あたいのところに来たわね」
「連合の神星は自分だけや」
「そのあたいを動けなくするとね」
「もうや」
 それこそというのだ。
「芥川も綾乃ちゃんも止められん」
「神星の相手が出来るのは神星だけだからね」
「その力があんまりにも強いからな」
「獅子を止められるのは獅子だけね」
「そういうことや、それでや」
「あたいに同じ神星のあんたが来てね」
「動けん様にしてる、采配もや」
 六将星の者は戦闘力だけではない、軍勢を率いての采配も傑出しているのだ。縦横に動かし万全の統率を行える。それも率いる軍勢が多ければ多い程よい位だ。
「自分は秀でてるからな」
「それであえてなのね」
「自分にば僕があたってな」
 そのうえでというのだ。
「足止めもしてるん
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