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夢幻水滸伝
第百六十八話 力の差その十

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「まさに」
「そうだよね」
「しかし」
「しかし?」
「貴殿も神具のスライム殿と共に強くなっていますが」 
 それでもとだ、正宗はジオンゴにこうも言った。
「拙僧も同じ、だからこそ互角であり」
「勝つっていうんだね」
「これより」 
 そうするというのだ。
「そうさせて頂きます」
「その気持ちは僕も同じだから」
 ジオンゴは獣の様に身体を屈めつつ正宗に応えた。
「必ずね」
「勝つでありますか」
「そうさせてもらうから」
 絶対にというのだ。
「負ける訳にはいかないからね」
「ではこれからも」
「闘う、そしてね」
「決着をつけるでありますな」
「そうしようね」
 二人はそれぞれ話してだった、そのうえで。
 一騎打ちを続けた、正宗はジオンゴそして彼の神具であるスライムと闘い続けた。彼等も激しい闘いの中にあった。
 戦局は日本有利ながらも予断を許さない状況だった、だが。
 雅は戦局全体一騎打ちも含めて見て吉川に話した。
「確かに辛いですが」
「それでもだな」
「はい、こちらの考え通りにです」
 三笠の艦橋で吉川に話す。
「進んでいます」
「軍勢同士の戦も一騎打ちもだな」
「はい、一騎打ちはやはりです」
「相性が重要だな」
「相性のいい方に向けていますので」
 日本から見てそうであってというのだ。
「ですから」
「その分だな」
「はい、今は互角の勝負ばかりですが」
「その互角がだな」
「これからです」
「変わっていくな」
「はい、暫くしますと」
 軍師としてだ、雅はその目を鋭くさせて話した。芥川は雅は術にも優れていて一騎打ちにも迎えるが軍師の才を見て戦場に残したのだ。
 その雅がだ、今海戦だけでなく戦局全体を見て動かしている吉川に話すのだ。その口調は落ち着き払ったものだ。
「優勢になっていき」
「勝つ者が出て来るな」
「それであちらの星の方が戦場を離脱されます」
 一騎打ちに敗れればそうなる、この世界の戦の掟だ。
「そしてです」
「そのうえでだな」
「その後で」
 まさにというのだ。
「こちらの星の方が戦場で戦われ」
「采配を振るってだな」
「そちらでも戦ってもらうので」
 だからだというのだ。
「その分です」
「こちらが有利になるな」
「そうです、ですから」
「今は限られた戦力で戦うことだな」
「そのうえで有利に戦い」
 そしてというのだ。
「戦局もです」
「進めていくな」
「そうしていくべきです」
「そうだな、戦は限られた戦力でどう戦うか」
「そのことが肝心ですね」
「無限の状況なぞはな」 
 それはというと。
「有り得ない」
「どういった状況でも」
「戦は有限だ」
 常にというのだ。
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